The Way He Thinks

彼が考える方法
私が放射線科の研修医をやる前に、いわゆるインターンみたいなことをちょっとの間だけやった。どちらかというとやらされたに近い。小動物から馬、産業動物などといろいろな部署を回った。そのとき、小動物内科の先生で神経学専門のDr. M Mooreという先生についたときである。Dr. RD Sande(師匠2号)は彼のことをさしてこういった。「彼は記憶力だけではなく頭がとってもよい。彼について学ぶことはいろいろあるが、重要なのは彼のThe way he thinksを学んでくることである。」ここで言うThe way he thinks.とは単に彼が考える「方法」というものではなく、彼が考える思考経路ということで、それを学んで来いと言うのである。果たしてそれはどういうことなのか。
臨床では知識や経験はとも重要なことである。本や雑誌、インターネットなどあるいは自分のやっていることを長い間繰り返していくだけで知識や経験は増やすことはできる。しかしそれだけでは臨床でよりよい解決方法を見つけるためには十分ではない。そこに足りないのは、情報の選択やよりよい答えを出すために思考経路である。しかし、このことは簡単に説明できるものではない。思考経路とはその人が複雑な問題にぶつかったときにどのようにそれを解いていくのかということであり、それを説明するのは難しい。それが症例であった場合、問題はより複雑になっていて簡単には説明できない。しかし、できる獣医師はなんだかんだと言って問題を解決していく。なぜその結果が導かれたのかそんな思考経路を知ることが重要なのであう。残念ながら現日本ではなかなかこのような経験を積むことはできない。でも、いろいろできる先生たちと意識して話しているとそんな思考経路は何となく見えてくるときがある。そんなことでいろいろ学ぶことも多い。
The way he (she) thinks.を学ぶ自分なりの方法を見つけよう。
一歩進んだ獣医師になれるかもしれない。