もうすぐ始まる

 毎年恒例のようになってきているAJVT主催の超音波セミナー(実習付き)は、おかげさまで今回で五回目である。紆余曲折あったものの何とか続けてきている。
 今年の超音波セミナーのテーマは「どこまで簡単にできるか」ということにしようと思う。今日、車の中で見ていたテレビでテニスの松岡修造がジャニーズのV6にテニスを教えていた。たしかにわかりやすい。超音波セミナーに応用できないものかと考えてしまう。
 教えると言うことはとっても難しい。英語では「See one, Do one, Teach one」 といって、特に医学の分野で言われている技術などを習得するときに使用されている方法のことである。Google とりあえず見て学び、自分でやれるようになり、教えられるようになればイッチョマエということになっている。多分この文にはもうちょっと奥深い意味が含まれているのだと思う。
 超音波検査の場合には2つの要素で検査が成り立っている。まず、いかにきれいな画像を出すか。そして、超音波の画像をもともにどうやって診断に持って行くか。実習付きのセミナーの場合この1つめのいかに画像を出すかと言うことに注目している。これはどちらかというと技術的な要素が強くなっている。それに比べ2つめものは教えにくい。これは「The way I think」が重要になってくる。その画像を元にどうやってその診断にたどり着くのか。
 セミナーではこの技術的な部分中心に教えていくだけなので少しはやりやすい。多少のセンスがあった方が習得は早いが、練習次第でできるようになる可能性がある。そして実はこのセミナーの隠れた特徴は「See one, Do one, Teach one」なのである。このセミナーでは、スライドでの講義、そして私のデモンストレーション、各自の実習という流れになっている。実習は、5人ぐらいでグループを作ってもらって超音波検査をやる人と動物を保定する人2人で残りの人はオブザーバーという形をとって順番に変わってもらうようにする。このセミナーでは講義は大して重要ではない。実際には私のデモンストレーションの方が役に立っていると思う。このデモンストレーションで「See one」となり、実際に各自であててみて「Do one」となり、各自の実習で順番のはじめだった人が後でやっている人の対して自分のやってみた時の感想や自分の知識などを話す。また、多少腕に覚えのある人は、そのグループの中で後れをとっている人に対して教えたり手をさしのべたりする。これによって、「Teach one」に近い効果が出る。ある意味、相乗効果みたないのものができる。多少は参加している人に左右されることはある。これは人数が多くても少なすぎてもこのような効果が出ないと考える。
 でも松岡修造みたいに教えるにはどうしたらよいのだろう。
 やる気の問題か。でも、あれほどまでに熱くなれるか・・・

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