Bone Identities

Skull
 さきほど仕事(勉強会)から帰ってきた。仕事とはいえこんな頭蓋骨などの骨の山を約1頭分を箱に入れて深夜に持ち歩くのは気持ちのいいものではない。なんかのきっかけで警察に職務質問されたら挙動不審になりそうでできるだけ避けたいという気持ちになる。
 骨格標本を持ちましょう。特にわたしの持っているものは本当の犬(グレート・ピレニーズ)の骨格である。X線読影では骨格標本は欠かせない。特に骨関節系のフィルムの読影は骨に触りながら読むのがいちばんである。今ではいろいろなことで手に入りにくくなって来ているものの、何とかして手に入れてもらいたいと思う。自分でつくるもの方法の一つである。作り方は、ポリバケツを水でみたして、入れて・・・などなどいろいろあるものの今はそれはどうでもよく書きません。
 骨格標本の良いところはいくつかある。まず、骨の細かい変化たとえば筋肉の付着部や栄養孔の形状・位置などX線写真で出てくるわけのわからない線や増生みたいな場所をその部位の骨を触りながら実際どうなっているのかを見て触って確認できることである。よく説明で使うのが橈尺骨間の骨幹腱の付着部であり、この部位のがとても造成しているように見えることがある。また、骨を暇なときに眺めたり触っていると思いがけない骨の形に感心してしまうこともある。よく感心するのは、肘関節の骨の合わさり方である。3つの骨が確かにぴしっと合わさるのである。また、橈骨と尺骨の遠位(手根部近く)で接しているその接し方なんかもちょっと微妙で感心するところである。また、老齢動物の骨格標本だとどんな病気があったのかとか病気の変化を見ることができる。私の持っている骨格標本は、肩の離断性骨軟骨炎や股関節形成不全などがあり、頭部では歯槽骨の感染症などを見ることができる。
 そんなわけで、骨格標本を持ちましょう。でも組み立てたものでは意味がない。バラバラの状態で持っている必要がある。これは、関節の内部構造などを見ることができるのがポイントである。その他に実際に骨をあわせてみて関節の動きの再現などもがんばればできるはず。左右の骨の違いを並べてみることができる。など、バラバラの状態の方がよいことがいっぱいある。
 では、明晩も骨を片手にウイスキーを・・・