医療情報のWeb2.0

 Web2.0と言う言葉をご存じでしょうか?これは、そういったプログラムやソフト、プロトコルがあるわけではありません。ネット上における社会の流れの方向のことであり、これに関して明確な枠や基準があるわけではない。これでは意味不明・・・。ここでいうWebとは、今あるインターネットのことであり、そこで商売したり宣伝したり、遊んだりといった営み全体のことを指している。いままでのWebがWeb1.0とでもいいましょうか、代表的なものは楽天やYahoo!なんかがそちらに分類されるかと思う。またまさに典型的というか古典的というWeb1.0には、iタウンページがある。これは広告主には有料で(かなり高額)、他のネットでは検索されず、孤立したデーターベースをもちネット上にありながら他とのつながりをなくしているということなどがその理由となる。そこからさらに進化というか変化していった形のものがWeb2.0と言うことになる。代表的なものがAmazon.comやgoogleなどである。アマゾンに関しては彼らのページに対してリンクフリーであり、他からの検索が可能であり、今後本の内容全文検索までやりたいとまでいっているような会社である。Googleは、簡単にいうと世界の情報全てを分類して検索できるようにしたいといっている会社である。情報の扱い方や検索の方法などに対する考え方が違うということではあるが、詳細は梅田さんの「ウェブ進化論」を読んでみて。
 さて何でこんなコトから始めるかというと、最近調べ物をするときにフリーのmedlineを使っている。非常に重宝している。問題はそこから先なのである。文献を調べてその文献のある雑誌のページまでいくことができる。しかし、その文献のコピーを手に入れるためには、お金がかかるのである。たかが1メガにも満たないpdfファイルをダウンロードするために30ドルとはどういったものか。中にはただのものもある。しかし獣医学関係の論文はほとんど有料であり、さらに医学系よりも高い!!いずれにしても、通常の出版で十分儲けられないのでこのようなところまでお金を取るのであるろうか。このようにお金を取るのは商業誌だけではなく、ほとんどの学会発行の雑誌の論文まで高い金を取るのである。私としては、そんなにお金を払ってまで手に入れるほど好奇心が旺盛というわけではないので、まずそこにある要旨を読んで大きな方向性の情報を手に入れ、あとは無料で手に入る文献を探してダウンロードする。多くの場合、基礎的な研究に関係していて読むのは大変だし、ちょっと自分の意図している分野から的から外れているけれども知りたいことやそれに近いことは知ることができることもある。無料で医療情報が手に入ると言うことである。これはかなりのWeb2.0な話であると考えられる。Web2.0で食っていけるかというと、食っている人はいるということ。これからは、楽天のように売っているだけではなく、商品情報やそれにまつわるライフスタイルまで提案していく必要があると考えられる。
 では、医療あるいは獣医療ではどうなのか。この分野におけるWebは大変遅れているように思える。医療情報(医師や獣医師向けの情報)と一般医療関係の情報(一般の人のための医学的な情報)の区別はどこにあるのか?あるいは本当にそのような区別が必要なのか?一般人が読んだ医学書をまとめたページは医療情報なのか?医師同士や獣医師同士、あるいは医師と獣医師のなどWeb2.0はどうだろうか。可能性は広がる。対象は一般人やペット飼い主から医療あるいは獣医療関係者まで幅広くなる。それに対して、どの様に情報提供していくのかが問題であり、頭の固い今の私では予想もできないくらいの早さでこんな問題を解決していく様な人たちが出てくると思う。そこになって初めて医療あるいは獣医療のWeb2.0は始まっていくのだと思う。
もうWeb3.0だって!!意味わかんない。