Elastography について その2

 さて、先のカップゼリーでは中身がフルーツばかりなので弾性が強いというより硬いのであまりエラストグラフィー向きとは言えないようです。
なにかいいものがないかと思い考えたのが、ナタデココ入りのカップゼリーです。
Img_0653
と言うことで、まずパイナップルとナタデココのカップで確かめてみます。ゼリーとナタデココのエコーレベルは等しくほぼエコーフリーを示します。
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ここに、エラストグラフィーをかけると以下のようになります。
Ee000_20130502131823

周囲のゼリーは、赤から黄であるのに対して、ナタデココは青を示しています。
同じエコーフリーの物質でも弾性に違いがあることがわかります。
次に、ヨーグルトゼリーの中にナタデココが入ったものでは以下のようになります。
Ee000_20130502132715
周囲のヨーグルトゼリーのエコーレベルは高く、それと比較してナタデココはやはりエコーフリーを示しています。
ヨーグルトゼリーはエコーレベルが高いのに驚きました。
これにエラストグラフィーをかけてみると以下のようになりました。
Ee000_20130502132706

周囲のヨーグルトゼリーは黄から緑を示しているのに対して、ナタデココはほぼ青を示しています。そのため、周囲のエコーレベルの状態で弾性が判断できないことがわかります。
ゼリーは後日ちゃんと冷やして味わわせていただきます。実際には、ナタデココ単独の弾性を調べてみようかと思っています。実際に今回使用したカップゼリーはメーカーが違うためにナタデココの弾性も違っている可能性があるらです。実際に食べてみればわかりますかね。
日立メディコのページにエラストグラフィー(Real-time Tissue Elastography)についての説明が載っています。
http://www.hitachi-medical.co.jp/tech/based/us/rte/index.html
何となく感覚がつかめてきたように思えます。
これから症例数を増やしていければと思います。
ご協力いただければ幸いです。 (^_^;)

Elastography について その1

 今回購入した超音波診断日立アロカの「Noblus」には「Real-time Tissue Elastography」というものが付いています。現時点では獣医界ではあまり普及していないものである。医学でも使用は結構限られていているようです。
 実際私もよくわかっていないことも多く、感覚的または直感的に画像を理解するために、とりあえずいつもの方法で実験して見ました。
まず、いつものカップゼリー(\105-)。
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そして、エラストグラフィーのモードが使えるリニア型プローブであててみます。
Img_0623
リニア型プローブなので四角い画像が得られます。
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これに、エラストグラフィーモードにして、プローブでカップ表面を圧迫しカップ内部からの信号を得ます。そして以下の様な画像が得られます。
Ee000_20130425141217
ここでは、右に通常のB-modeの画像で、左にB-mode画像にエラストグラフィーを重ねたものです。領域内に示されたカラー表示でその領域内のものの弾力性がわかるというものである。カラー表示は、左端にあるゲージを見ると上から赤、黄、緑、青の順に並んでいて、上に行くほど柔らかく(弾力性に富んでいる)下に行くほど堅く(弾力性が少ない)なる。そのため、上の画像から言えることはゼリーは柔らかくゼリーの中のフルーツは堅いということがわかります。
ちなみに、左の画像の下にあるグラフのようなものはプローブにかかる圧力を示しています。適切な圧をかけているかがわかります。ここに正弦波(サインカーブ)のような綺麗な波形が描かれれば、安定したエラストグラフが得られるようです。ただ、カップゼリーで試してみてもなかなか思うようなグラフを得ることがきませんでした。練習なのか・・・。

では、弾性の比較として、ゼリー内の白桃(右上)と黄桃(左下)を比較して見ます。
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以上のように、白桃と黄桃では弾性に違いがないことがわかります。
まあ、フルーツゼリーではこの程度のもなのでしょう。
もうちょっと別の方法を考えて見ます。