スパイナル針と動物用エコー針の比較

針穿刺によって目的部位の臓器や組織の細胞を採取する方法をFNA(Fine Needle Aspiration)あるいはFNB(Fine Needle Biopsy)と言います。使用される針は、通常の注射や採血に使用する皮下針であったり、カテラン針、スパイナル針などがあります。個人的には、内針がありベベル(針の先端)の形状などからスパイナル針を使用しています。理由は、まず内針があると目的部位まで針先端をふさいでくれるので、他の細胞が入って来にくいような気がする。(あくまでも個人的な意見です。) また、針先端の形状も皮下針のようにサーベル状ではないため、臓器内に入れたときも無駄に組織に損傷を与える可能性が低いと考えるからです。(あくまでも個人的な意見です。)
このFNAやFNBで採取されるサンプルは、細胞のみであり組織しては採取することはできません。そのため、診断は細胞診というレベルの判定になり、確定診断ができることは多くはありません。
さて、仕事柄このFNAを超音波検査下で行うわけですが、いつも使用しているスパイナル針だとベベルのみが見えるだけで、時に針がどこに行ったわからなくなることあります。そこで、最近発売された、動物用エコー針というものを使用してみました。
動物の針穿刺バイオプシー(FNA)に使用するユニシスの動物用エコー針(23G・7­0mm)とテルモのスパイナル針(23G・70mm)をカップゼリー(たらみ)を使用して比較し­てみました。
準備したのは、超音波装置(Hitachi Aloka Noblus)とエコーゼリー、スパイナル針(23G・7­0mm)、動物用エコー針(23G・7­0mm)、カップゼリー(ローソン たらみ ミックスゼリー)です。

2つの針の間に中にエコーゼリーをたらして見ます。

左がスパイナル針で右が動物用エコー針です。やはり動物エコー針の方が針自体を確認でき安心感があります。スパイナル針はベベル(針先端)のみです。
針の角度を変えてみました。

左が動物用エコー針で右がスパイナル針です。動物用エコー針は問題なく確認できますが、スパイナル針はより見づらくなっています。
でも、動物用エコー針で輝いて見える場所と実際の針の場所には少々ずれがあるように見られます。ずれていることがわかっていれば問題ない範囲であると思われます。あとは針の値段ですね。
youtubeに長いバージョンをUpしておきました。興味ある方はどうぞ・・・