画像診断って何だかわかりにくいよね

今更なのだけど、「X線検査や超音波検査、CT、MRIなどの画像から診断すること」ということなのだと思う。本当の定義は教科書などを参照して下さい。

ただ、実際に「診断」と言いつつも本当に診断(確定診断)あるいは本当の病名には至らないことの方が多い。例えば腹部のX線検査を見て「脾臓の血管肉腫ですね」とはならない。もちろん画像以外の情報もとてつもなく重要です。性別、年齢、動物種、体重、症状、血液検査などは最低限必要となる。

業界的にそれで問題ないはず。

じゃあ何をやっているかというと、画像からえられた所見や他の情報とあわせて可能性の高い病名あるいは診断名を可能性の高そうな順に並べること。

例えば、胸のX線検査で、肺が白く見えた時に、「肺水腫や肺炎など何が可能性高い」とかをいう。さらに、そこで心臓が大きければ「心臓病による肺水腫の可能性がある」とかいう。

そして、「次にやる検査は、心臓の超音波検査や聴診、心電図検査、血液検査ではないでしょうか」となる。

とても大雑把な例えではあるけど、ほぼ毎日こんなことをやっている。

私の場合は、X線検査と腹部超音波検査を中心にやっているので、やることはそれほど多くないけど、それなりに忙しいのは、とてもありがたいことであると思っている。

私には、CTやMRIなどの膨大な数の画像データを判断するには時間が足りない。

それよりも、どこの病院でも行えるX線検査と腹部超音波検査を中心に行うことが、社会貢献であると認識している。

細かいことを書くと長くなってわけがわからなくなりそうなのでこの辺で

追記として

超音波検査に関してはちょっと特殊で、画像を読むことだけではなく、適切な画像を得るための手技も重要となる。実際には、検査を行っている人がその場で診断しなくてはならず、保存された静止画像の画像記録から判断するのは難しい。

WindowsパソコンでiPad をサブモニターにする方法

あちらこちらの病院を訪ねて仕事をしていると、空き時間にX線検査や超音波家検査の報告書などを書かなくてはいけないことがあります。そのため、そのような状況になる可能性がある場合には、パソコンを持ち歩くようにしています。使用しているのはWindowsパソコンです。かれこれ30年以上Windowsパソコンを使用してので今更変えるつもりはありません。画像診断をしているけれども・・・事務所には、Mac miniとOsirixとHorosはあります。

さて、携帯性を重視して14型モニターのノート型PCを持ち歩いています。単にWordsなどで文章を書くのは問題なく使えます。X線検査や超音波検査などの医用の画像を見ながら、報告書を書くのには、14型モニターを二画面表示するのはちょっと見えづらいものです。今ではサブモニターなる商品があり、USB-Cなので接続するとモニター用の電源なしで表示することができて、勝手が良さそうです。ただ重そうだったり、かさばったりしそうです。

いつも本や雑誌を読んだり、正常なX線検査や超音波検査の画像を表示したりするためにiPad miniを持ち歩いています。これをサブモニターとして使用できないかと探してみました。

結構いろいろある中でも、今使用しているソフトは二種類あります。WiFi接続する方法とUSCケーブルで直接接続する方法があります。

  1. WiFiで接続

● spacedesk

これはwifi使用して接続する方法です。どのwifiでも接続できるわけではなくセキュリティーなどの条件で接続できないこともあります。wifiの速度や使用するPC・iPad の性能によってはもっさりした動きになり、使いにくいときもあります。

使用するためにやることは2つ、iPad あるいはiPad miniに、App Storeからアプリをインストールします。そして、ノートPCにもアプリをインストールします。

同じWiFiを利用している状況で、Windowsパソコンでアプリを起動時し、iPad でもアプリを起動すると同期が始まり利用できるようになります。PCでモニターの設定をして、サブモニターの設定(ディスプレイ設定>表示画面を拡張する)をして、モニターが上手く拡張できるように設定します。

iPadでアプリを起動した時の画面

  1. USBで接続

● XDipsplay

これはUSBで接続して使用します。多少のもっさり感はありますが安定して利用できます。有線なのでケーブルが必要となります。使用するPC・iPad の性能によって使用感が変わってくるようです。

使用するためにやることは2つ、iPad あるいはiPad miniに、App Storeからアプリをインストールします。そして、ノートPCにもアプリをインストールします。

同じWiFiを利用している状況で、Windowsパソコンでアプリを起動時し、iPad でもアプリを起動すると同期が始まり利用できるようになります。PCでモニターの設定をして、サブモニターの設定(ディスプレイ設定>表示画面を拡張する)をして、モニターが上手く拡張できるように設定します。

iPadでアプリを起動した時の画面

今までのブログは

本当は削除しようと思いました。

でも、振り返ると書いている内容は全然ダメだけど「あの頃はいろいろやっていたんものだ」なんて思ったこともありました。中には「ウワー」って恥ずかしくなってしまうものもありますが、自分の記録としても面白いのでそのまま残すことにしました。

I Wish・・・

最近、再びブログを書きたしていこうと思い、過去の記事を引用しながら書いています。

このブログの題の”I wish I could do more.”はかのワシントン州立大学のDr. JE Alexander(私の師匠1号)が、臨床家から送られてきた診断依頼のX線フィルムに対して、十分な答えが報告書でできていないと感じたとき報告書の最後に入れていた一文です。
「もう少し力になれればよかったのですが」というような意味なると思います。
忙しくなるとついそんな気持ちを忘れてしまいがちになってはいけないなと思いつつ自分への戒めを含めて題にしました。

ココログからWordPressへ

なんだかニフティのホームページサービスが訳のわからないことになっているために、いろいろ調べた結果、広告も入らない自分のレンタルサーバー(さくらネット)の変更して、ブログもWordPressに変えて、引っ越しをしました。

パスワードがたくさんありすぎたり、IDもホームページサービスが別物だったり、結局アクセスに時間がかかるようになってしまってホームページを変更することさえもやりにくくなってしまったのです。

なんだかんだ言ってても、「最近ブログなんてアップしてない」とか思っていたけれども、とうとうこれでニフティともお別れしてしまいそうです。

20年近くもニフティを使用していて、留学中にはお世話になっていて、愛着はあります。ニフティサーブどからNiftyとなる間もずっと使用してきたのですが(なんだかマグカップまでもっている)、最近今一つ使い勝手が悪くなってきたので、もうそろそろいいのかと思い解約を考えています。

なんとなく、Niftyには時代を感じますね。

 

WordPressの本

X線グリッド につて

X線グリッドの図

X線グリッドとは、「ブレンデ」とか「バッキー」とか呼んでいる人もいますが、正式な名称はX線グリッドでいいと思います。

このX線グリッドとは、カセッテの上に載せて使用する板状の物です。この役割は、X線検査時に発生する二次散乱線を防止して、一次X線のみのクリアーな画像をつくるための物です。構造は簡単なもので、X線を透さない薄い鉛の板とX線を透すアルミや紙、木など薄い板を、向後に並べ、窓のブラインドと同じよう一定の方向からの光(この場合一次X線)を通すことで、生体にあったって生じた散乱線がフィルムへ到達しないようにしているものです。

「ブレンデ」とは、X線グリッドの別名でありますが、X線グリッドをさして呼ぶ呼び方としては一般的ではないかもしれません。「バッキー」という言葉は、X線グリッドの分類の時使われる言葉で、リスホルム・ブレンデ(静止形)とバッキー(ブッキー)・ブレンデ(移動型)という分類の時にこれらの言葉が使用されます。


使用するときは、撮影する対象物が10cmより厚い時となります。これは生体の厚みが厚くなるほど散乱線を発生するため、許容できる厚みが10cmということです。ただし、10cmを超えても、骨関節や頭部の撮影には使用しない方が良いと考えます。

ここで注意して欲しいのは「10cm以下の部位には使用する必要がありません」という表現より、「10cm以下では使用しない」という方がよりかも知れません。そのため「10cm以上の部位にグリッドを使用しましょう」という考えの方がよりと思います。グリッドを使用しないで済むならそれに越したことはありません。せっかく撮影したフィルムに細かい線が入ってしまうからです。

近ではDR(digital radiography)やCR(computed radiography)が普及してきて、グリッドなしでもコンピュータ処理によって散乱線が補正されて、より良い画像が得られるようになりました。 また、得られた画像が人の目でも見やすくなるようグレースケールの修正やエッジなどの強調も行われていて、時にX線フィルムではあまり見られなかったものが見られるようになっています。(詳しいことはまた改めて)

一番の問題点は「X線グリッドを使用すると線が入る」と言うことです。骨格や関節の細かい構造を見るためにはこの線が邪魔になります。そのため、グリッドを使用して撮影された場合、関節周囲の細かい骨変化や骨の骨膜反応などが確認できないこともあり、正確な読影ができないこともあります。
「散乱線を減らすためにはX線グリッドは必要ですが、骨関節や頭部の撮影には使用しない」と言うことをお忘れなく。

※ 2022/10/12修正


参考HP:
http://www.jichi.ac.jp/usr/radh/admnradh/kennsyu3.htm

以下の本も参考にしてください。

超音波検査方法の学び方

超音波検査は、他の画像診断と違い、患者に対して実際に検査を行っている人が自らその場で診断を下していくという特殊な検査であると考えます。そのため、検査している人の技量や知識、経験などのよって、結果が変わってくることが多い。
 この特殊な検査方法は、学ぶのは結構難しいものであると言えます。一番良い方法は、やはりちゃんとした先生について学んで行くものであるとおもいます。しかし、そのような方法で学ぶためには時間もお金もかかり、実際に限られた人のみが許された方法であると思われます。
そこで、時間があるときに、ネットである程度の知識を得ていくという方法はとても、有効な方法であると考えます。
そこで、まとめサイトで、できる限り時間を有効な方法で学べそうなサイトをまとめてみました。

サイトがなくなったので現在制作中です。

私にもできた! 無料で超音波検査を勉強できるサイト
http://matome.naver.jp/odai/2143218131347747101

じつはこのNAVERでの「まとめ」サイトで何かまとめなるものを作ってみたくて作ってみたというのが実情ででした。

スパイナル針と動物用エコー針の比較

針穿刺によって目的部位の臓器や組織の細胞を採取する方法をFNA(Fine Needle Aspiration)あるいはFNB(Fine Needle Biopsy)と言います。使用される針は、通常の注射や採血に使用する皮下針であったり、カテラン針、スパイナル針などがあります。個人的には、内針がありベベル(針の先端)の形状などからスパイナル針を使用しています。理由は、まず内針があると目的部位まで針先端をふさいでくれるので、他の細胞が入って来にくいような気がする。(あくまでも個人的な意見です。) また、針先端の形状も皮下針のようにサーベル状ではないため、臓器内に入れたときも無駄に組織に損傷を与える可能性が低いと考えるからです。(あくまでも個人的な意見です。)
このFNAやFNBで採取されるサンプルは、細胞のみであり組織しては採取することはできません。そのため、診断は細胞診というレベルの判定になり、確定診断ができることは多くはありません。
さて、仕事柄このFNAを超音波検査下で行うわけですが、いつも使用しているスパイナル針だとベベルのみが見えるだけで、時に針がどこに行ったわからなくなることあります。そこで、最近発売された、動物用エコー針というものを使用してみました。
動物の針穿刺バイオプシー(FNA)に使用するユニシスの動物用エコー針(23G・7­0mm)とテルモのスパイナル針(23G・70mm)をカップゼリー(たらみ)を使用して比較し­てみました。
準備したのは、超音波装置(Hitachi Aloka Noblus)とエコーゼリー、スパイナル針(23G・7­0mm)、動物用エコー針(23G・7­0mm)、カップゼリー(ローソン たらみ ミックスゼリー)です。

2つの針の間に中にエコーゼリーをたらして見ます。

左がスパイナル針で右が動物用エコー針です。やはり動物エコー針の方が針自体を確認でき安心感があります。スパイナル針はベベル(針先端)のみです。
針の角度を変えてみました。

左が動物用エコー針で右がスパイナル針です。動物用エコー針は問題なく確認できますが、スパイナル針はより見づらくなっています。
でも、動物用エコー針で輝いて見える場所と実際の針の場所には少々ずれがあるように見られます。ずれていることがわかっていれば問題ない範囲であると思われます。あとは針の値段ですね。
youtubeに長いバージョンをUpしておきました。興味ある方はどうぞ・・・

久しぶりのブログ更新

ブログを最近更新する機会が減ってきている。なんか情報発信する内容が減っている訳ではないけれども、情報発信するチャンネル(ブログやFacebook、Facebook Page、Twitter)が多くなりすぎてどこにどの情報を流すかなんてことをやるのが多少面倒になっているように感じる。
ここで実験的に(自分に対しての戒めとして)なるべく多くのメディアに同様の情報を流してみるということを試してみようと思う。各内容は同じでも、なるべく文章はコピペをしないようにして、対象を考えながら書くというのは「なかなかチャレンジングではないか」とも考えます。
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 昨日は、逗子にある「トダアニマルキャンプ」という大学の同級生の動物病院に行ってきました。ここの病院にはホームページはないようでGoogle Pageで「https://plus.google.com/114381769642198100567/about?gl=jp&hl=ja」で病院の感じはつかめるかもしれません。
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 ここの病院は、超音波検査を飼い主様の立ち会いで行います。そのため、検査を進めるにあたって、超音波検査装置のモニターの画像を説明しながら行うのですが、なかなか目的の臓器が出ないときはとても困ったり、見えているものよくわからないときなどは言葉に詰まって困ります。
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 立ち会いの超音波検査は、直接飼い主様のお話ができる数少ない有意義な機会です。楽しみながら検査を進められてとても良い時間を過ごすことができました。
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胃内の異物なのでしょうか?

先日の腹部超音波検査で胃の幽門洞にこのようなものが見られました。
異物でしょうか?
内心ドキドキで『異物なのか・・・異物ではないのか・・・』