胃内の異物なのでしょうか?

先日の腹部超音波検査で胃の幽門洞にこのようなものが見られました。
異物でしょうか?
内心ドキドキで『異物なのか・・・異物ではないのか・・・』

Amazonには写真がなかったのでUPしておきました。
Pathology_2

USB超音波診断装置

こんな物もあったんだ!
Noteusbus
USB接続の超音波診断装置
Voyager (Ardent Sound Inc.) 英語
Voyager (ライフサイエンス コンピューティング 株式会社) 日本語
買った医師のブログ(ごめんなさい。勝手にリンクしています)
もう知っていたらごめんなさい。見た感じコンベックスのプローブしかないみたい。10Mhzのコンベックスだったら動物でも使用できるかな。でも、何かこのメーカーの別の装置には高周波数のリニアのプローブがある様子。いずれにしても、カラードプラやドプラはついていない様子。
値段はいくらなんだろう?
50万円ぐらいなら買うかな。そもそも買わないかなー・・・。

人と獣 医学の違い

「肋骨骨折は1本当たり125 mL出血する」らしい。
こんなことがわかっているのかと感心させられる。
犬は? あっ、体重が必要か・・・。体重が60kgの人と想定して考えているのだっけか?ってことは60kgで125mlで5kgの犬だと・・・、約10mlとなりますが・・・、5kgの犬で肋骨が折れると約10mlの出血があるかも・・・、これで良いわけ無いよね。
誰か調べてよね。
てなことが、獣医学では多すぎてね。やることいっぱいあるのに先端医療しか研究せんとはどういうことじゃ。
骨折に伴う出血量は緊急時に失血量を予想するのに役立つはず。でも動物でそこまでシビアな状況になることは少ないかな。
獣医学と医学ではやはり根本的な部分で違うと言うことやっぱりちゃんと考えて行かなくてはと思う。
やっている感じは小児科に近いと思うけれども、やっぱり動物と人では違う。
感情的な部分や社会的な部分、経済的な部分などなど・・・やっぱり違うのである。残念ながら・・・。
みんなでちゃんと話し合って、線引きとまでは行かなくてもどう違うのかいろいろな部分で考えて行く必要がある。
もちろん医学で進んでいる部分はどんどん取り入れていくべきだと思う。動物に応用していくべきであると考えている。
裁判でも不利になったりするのはこの部分なのかな・・・

セミナー方法いろいろ(超音波検査篇)

天気が悪いと、なんか調子でないね。寒いしね。
先日のセミナーは超音波検査法の実習
病院の待合室で行った。あちらこちらから先生方が集まってアロカさんからα7を持ってきてもらって行った。(いつもアロカさんにはお世話になっているのでこの場でお礼。アロカさんいつも夜遅くまでありがとうございます。)
そこの病院は症例数が多くこのセミナーに必要十分な数の症例を集めといてくれる。そして、集まった先生方に各症例を順番にα7を使用して超音波検査を行い、異常な所見やそれから考えられることなどを言ってもらって、それを私がフォローするという形である。このセミナーではそれなりの作法はあるものの、ある程度自由にそして検査を行う人のレベルにあわせてこちらがアドバイスをして行かなくてはならない。しかもこの実習に使用されている動物kたちは本物の症例でありそれなりの病気を持っていたりなかったりする。そんなものなので私もある程度見逃しや落ち度のないように注意を払い緊張していなくてはいけない。
参加してる先生方は自分ができる最大限のフォースを使って目の前にいる動物の超音波検査をするだけ。
私の見るポイントは
1. 最大のフォースを使っているか (十分の動物を観察して集中しているか)
2. プローブの接地と角度
3. プローブのあてている部位から見えている臓器の形状・大きさ・エコーレベル
4. あてている臓器の変化と先生方のコメントのズレ
5. 臓器の見落としや十分に検査できない部位
などがある。後はその時の状況に応じて「あて方」や「超音波検査的な解剖」などで考えられることなどをアドバイスして行く。
最終的には、異常から考えられるDifferential Listを頭の中に作成しておくことも重要なこと。
という形でセミナーは進んで行く。まあ、参加人数にもよるけれども1回のセミナーで2症例見られればいい方でしょう。
でもやっぱり超音波検査を教えるのは簡単ではない。
いつも思うことだけれども超音波検査法を教えるのには重大な欠陥がある。
それは「やっぱり自分であてなきゃわからない。」というものである。こればかりはどうしようもなく、なかなかいい方法が採れない。そんなもので、実習なしのセミナーのはなかなか応じる気になれない。それから持っている装置によって表示されてくる画像が違っていると言うこと。そのようなわけで、本来なら持っている装置を持って来てもらうの方が実習としては番良いことなのだけれども、なかなかそのような方法はできないのが実情である。
なんだかんだ言っても、やっぱり実習動物の確保が一番のボトルネックとなることが多い。上でやったセミナーみたいに症例の使用はちょっと珍しいと思う。(一番良い方法だと思うけれどもね)
実習用の動物、できれば犬、とういか犬。できれば大きすぎなくて小さすぎない、腹部超音波検査の実習にはミニチュア・ダックスフントやシーズーなんかは良いね。心臓実習の時はちょっと大きめでも大丈夫、太っていなければ・・・でも、胸腔の形状は丸くない方が良いかもしれない。性格が良くて、臆病じゃなくて、おおらかで、避妊や去勢手術してなくて・・・。言い出すときりがない。
装置は、難しいね。持っている装置でやるのが理想的なのだけれども、その装置がだめだめの時はちょっと困る。そんなわけでいつもお世話になっているアロカさんにお願いしなくてはならないことも多い。(いつもわがまま言ってごめんなさい。)
そのうちバーチャル超音波検査学習法なんてできたりして。3Dの犬があって、マウスをプローブ代わりに持って、あてて押したりしても画像が変化したりして・・・。
考えると楽しそうだけれどもやっぱり生モニはかなわないでしょう。

最近の超音波検査法って

最近寒くてあまり活発な動きができない。ダウンとか着込んでいるせいもあるけれども、結構部屋も暖まりにくくキーボードを打つ手が寒くて動きが悪い。ミスタイプが多くなると、考えていることにタイプが追いつかなくなってやる気がなくなってやめてしまう。
最近の超音波診断装置のTopicsは、いくつかあるが中でも、注目を浴びているのがしたの3つぐらい。(心臓の話は別として・・・。)
エラストグラフィ
3D再構成
コンピュータ補助診断
これらの技術はそれほど目新しいものではないけれど人医では最近診断精度を上げるのに使用されてきていているようである。
エラストグラフィ
日立メディコが乳腺の悪性腫瘍を診断するために開発した検査方法である。リニアを利用して垂直にプローブを押して戻ってくるときの目的組織の弾性によるエコー周波数の変化を画像上の色に変換してみるものであるらしい。日立はこれをリアルタイムで行うこと出るものでありアロカも提携して同様のことができることになるらしい。他のメーカーでは映像を後で加工するようなものがあるらしい。
3D再構成(再構築)
これは今までの胎児の顔などを映し出すようなものではなく組織中の構造を立体に見せることができるというものである。かつて、プローブの位置を空間で認識してその位置情報と超音波検査の画像をあわせて3Dを構成するなんてものもあったね。まあ、いずれにしても病変の位置や周辺組織との関わり合い(辺縁の状態)などをみることができる。
コンピュータ補助診断
画像処理によって石灰化の状態や形状を分類することで悪性の判定に使用することができると言うことらしい。
これらによって、悪性の判定や手術の適応についての判定ができると言うことらしい。
世の中進んできていると言うしかないね。人間での場合、脂肪や大きさが問題となって高周波数のプローブの使用が広がっていない。どちらかと言うと術中にあてて病変部の病変や血管の位置などの判定に使用されている。高周波数のプローブを使用することができれば多くのものの形状や血流の情報を簡単に得ることができる。いろいろなことに応用できそうではないか。
で、今流行の方法を動物で使えないか考えてみた。
エラストグラフィ
これはリニア型プローブで直接圧迫しなくてはならないので肋骨内はできない。我々の注目は多分肝臓の腫瘤になるのだろうけれども、肋骨の中に肝臓がある場合にはできない。脾臓や腎臓はできるかもしれない。でも、特に腎臓は硬い臓器なので中に嚢胞なんかあってもちゃんとしたエラストグラムが出ないような気がする。本当に役立つのだろうか。工夫をすればできると思う。プローブのあて方などを工夫すればできるものも増えると思う。けどやってみないとわからないと言うことは買ってみないとわからない。残念・・・。
3D再構成
やっぱり画像が綺麗に得られなければ再構成なんてできないような気がするね。毛をちゃんと剃って、麻酔をかけてなんて現実的には無理である。やっぱり手ぶれ防止機能(誰か超音波検査装置用を開発してください・・・)を応用してある程度動きの中での画像でもって3D構築していかないと駄目じゃないかと思ったりもする。これは今後に期待すればできると思うね。
コンピュータ補助診断
まあコンピュータ系の話は時間が解決してくれること多いのとは言うものの、動物におけるデータの蓄積があまりにも少ないので時間がかかりそうである。人医でのデータを持ってきても良いとは思わないので、科学の進歩を待つしかない。それまでは我々のレベルアップが必要と言うことか・・・

セミナー方法でいろいろ思うこと(X線検査)

先晩はいきなり再びの雪で驚いた。そして、まあ寒いこと。で、セミナーでした。
個人病院の待合室と診察室を使用してのセミナーでした。
セミナーと言っても数人の先生方が持ち寄った胸部症例を中心としたフィルムを私が読影し解説し質問に答えるという単純なものである。持ってきた先生方が順番にフィルムをビューアー(シャウカステン・ドイツ語?)にかけていって、病歴や症状、検査結果などを簡単に説明してくれる。参加した先生方にちょっと掲げられたフィルムを見てらう。(本来ならそれぞれの意見をまとめて・・・)そしてとりあえず、私が読影して、鑑別診断的なものを掲げて症例について質問をしながら私なりの意見をまとめていくというものである。
このようなセミナーは事前にどのような症例があるかは聞いておらず、内心どきどきである。
でもフィルムから得られる情報と症状・病歴や他の検査結果とをあわせて、最低限フィルムから読めること(読まなく体はいけないこと)やまたはフィルムからの情報の限界などを私なりに解説していった。(つもり)
このようなセミナーは、こちらは準備が必要ないものの、非常に緊張するやり方である。症例のフィルムを持ち寄る先生方も聞きたいことが聞けて満足いただけた?ようであり一安心である。しかしながら、私なりにはいつものことながら反省点もあり・・・、「はたしてお役に立てたのかな」という疑問がわき起こる。
本当にこのようなセミナー方法が良い方法なのか未だに疑問に思いながらやってはいるものの、本当は私が読影しているだけでは本来勉強という目的には十分に達せられていないような気がしてならない。多分私のフィルムの読み方に興味があるだと思う。とりあえず自己満足にならないようにすることが重要なのだと思う。
X線検査は、少なくとも撮影したX線検査から短時間に必要かつ十分な情報を得ることが重要であると考える。そのため、X線診断はある程度トレーニングが必要であり、私がやっているセミナーはその初めの一歩になればと思う。そのためには自分で読む練習をする必要があると思う。
理想的には、参加者に症例のフィルムを持ち寄ってもらって、全部ビューアーにかけて、参加した先生方にある程度時間を持って全症例を見てもらって意見を自分なりにまとめてから、フィルムを持ってきた先生以外の先生に読影してもらうい、その後に私が解説という方法が良いと思う。
この方法は、時間がかかるし多くの症例を見ることはできないものの、読影の練習には良いじゃないかと思う。でも、多くの先生はシャイなのであまり人前で話したがらない。まあ別の理由があってこのような方法をいやがるのかもしれないけれどもね。(症例を他人にとやかく言われたくないとか・・・もっといろいろ思いつくけれどもこれぐらいに・・・)
いずれにしても、このような方法はスライドと言うかPowerPointを使用したセミナーより、一層インタラクティブな方法でありいろいろな意味で刺激になる。まあ私としては教育専門でやっているわけではないものの、より一層良い方法を試行錯誤していかなくてはいけないと思うね。

プローブと超音波診断装置

超音波装置を購入するときにには目的にあったプローブを選択する。そんなわけでまず購入にあたって超音波装置を使用する目的を定めなくてはいけない。心臓や腹部、その他があるけれども、その他を細かく分類すると大変なことになる。
大きく分類するとプローブは3種類。コンベックスとセクター、リニアがある。これをどのように目的に適用して行くかがポイントになる。
心臓検査には、よっぽどのことがないかぎりはセクター型プローブを使用する。でも小型犬の子犬やフェレットなどの小動物では高周波数のマイクロコンベックス型のプローブを使用する方が適切に検査することができる。腹部の検査では高周波数のマイクロコンベックス型のプローブでほとんどこなすことができる。でも時に細かく臓器を観察する時は高周波数のリニア型プローブが必要になる。などなど、これ以上書いているとブログじゃなくセミナーになりそう。
と考えてみると、プローブと超音波診断装置は切り離せない。やはり新規購入の際にはちゃんと必要とするプローブがそろうメーカーを選ぶ必要がある。値段も確かに重要であると考えるけれども、やはりプローブとは切っても切り離せないものであるということ忘れないで。やっぱりいいプローブを作るメーカーは良い超音波診断装置を作るよね。
やはり超音波診断装置を作って売る側もこのことはわかっているので営業の人によく相談して見るといいと思う。それでも心配な場合には専門の先生に聞いてみるといいと思う。
でも、最近は「やっぱりプローブはマイクロコンベックスとセクタ、リニアの3本必要でしょう」と言っている。

XP

XPというといまでは一般の人ではWindowsXPのことであると考える人も多いと思う。しかし、医療関係者あるいは獣医療関係者XPはX線検査あるいはそのフィルムことであったりする。だから、カルテにXPと書いてあるとX線検査をしたと言うことになる。このXはX線のXであり、PはPlateから来ていると言うことらしい、かつてX線検査のフィルムはプラスティックであり、その前はセルロイド、更に前はガラスであった。ガラス表面に、乳剤を塗って使用していたらしい。そのときのガラスをPlateと言っていて、XPと言われるようになったと言うことだそうである。
日本では一般ではX線検査のことを、いまだにレントゲン検査と言う人が多い。英語では、Roentgenという言葉は通常使用せず、RadiographyあるいはまれにX-rayという表現を使用する。「Roentgen」とは言わずとしれたこのX線の発見した博士の名前であるが、この博士の発見した放射線を「Roentgen」という表現はせず、「X-ray」あるいは「Xray」を使用している。(Roentgen博士もX-rayと呼んだし、X-rayと呼ばれることを望んでいたようである。)そして、このX-rayを使用する検査をRadiographyと表現する。
このRadiograpyはRadio-(放射線)を使用した-graphy(写真)であることから造られた言葉である。ちなみに通常の写真は英語でPhotographであり、このPhoto-は光のことでありそれに-graphをつけてるくられた言葉である。ちなみに顕微鏡写真は、Micrographという言葉が使用される。電子顕微鏡写真は、Electromicrographtとなる。
「レントゲンを撮りました。」なんて言われるとちょっと寂しい。でも、「X線撮りました。」と言われても違和感がある。たぶん「X線検査を行いました。」と言うのが正解なのだろう。それでもやはりちょっと的外れのような気がするが・・・。その検査を適切に表す言葉がないのが実情である。英語では「take a radiograph」でOK。(Radiogramという表現もある) 私の師匠1号は、X線撮影をしてもらうときによくふざけて「Nuc’em」(NucはNuclearという核を意味していて’emはいわゆるThemのこと、あわせると放射線を浴びせろと言う意味になると思う)と言っていた。確かに日本語で「エックス線」と言うより「レ線」と言った方が言いやすいね。
とある動物病院では、撮影回数を表記するのに「曝射」という言葉を使用している。そのため、カルテに撮影回数か表記するに「~曝射」だか「~曝」と書いている。間違えて「爆」って書いちゃいそう。いずれにしても簡素化していくカルテ表記もある意味逆戻りだなーってかんじする。ちなみに英語ではshotを使用するので「~shot(s)」って書いておけば少しは簡単のような気がする。使用したフィルム数と撮影回数を表記しておくので 2 films 4 shots とあればたいがい2枚のフィルムをそれぞれを分割して使用して4回「曝射」したことがわかる。

Aloka α6 と α7

超音波装置の入れ替えを検討している先生のところでアロカ(http://www.aloka.co.jp/)
α6α7を横に並べて比較する機会があった。腹部と心臓の両方を検査することができた。とってもラッキーなことである。
α7は少し前に発表された装置で、Alokaの最上位機種α10の性能を受け継いだもので、小型化されある程度の機能をそぎ落とされて洗練された超音波診断装置であるらしい。そしてα6はα7のいいところ?を残してもうちょっと値段を安く、特にSSD-3500とのプローブ共有を目標として昨年末に発売されたものである。いずれも、Alokaの上位性能のを備えたフラッグシップ的な機種と言うことになる。
筐体は両者とも小さい。過去のように大きさと性能が比例していた時代は終わり、小型化が進んでいる。とてもいいことである。両者の比較はもちろん後から出たα6の方がやや有利な部分もあるが、性能などを考慮するとα7の方がいい。操作性は変わらない。プローブの種類は現時点では何とも言えない部分もあるが、今後のことを考えるとα6の方が有利になることは確かである。ただ、SSD-3500のプローブをα6で十分な性能が出せるのかはプローブが出そろっていない現時点では何とも言えない。
画質は値段に比例するのね。正確な値段は把握していないけれども、両者には差があるのは確かである。価格の差が性能の差に比例するのか、それがポイントであると思う。
いずれにしても、性能の高い装置はいいね。

デジタルか・・・デジタル化

Oneday とある日の仕事。どことは言いませんが・・・。(わかる人にはわかるかも) いかにも画像診断っぽいでしょう。でも、なぜモニターがCRTなのかとか聞かれるいとこまるけど・・・。まあ、CRは入れればいいというものではないですね。ココのCRの装置は問題ないけれども、なんせシステムがだめだめなのでPCにお金かけても仕方がないと思っていたら、安い液晶モニターを持ってきて、Contrastが全くなく本当にだめだめだったので昔あったCRTを使っています。確かに、システムは高いから仕方ないのかもしれないけれども、やっぱりちゃんとしたものを使用しないとね。こんなシステムでフィルムを読んでいるだけであほらしくなってくるから仕方がない。
 やっぱり、世の中のデジタル化したX線への動きは止められないのでしょう。でもちゃんと使用方法を守って使わないとね。でも、CRを入れたら診断できるようになるような宣伝している会社もあるけれどもはっきり言って良くないと思う。全く持って良くない。CRにしたせいで、記録が残るのをいやがり取り直しをしなくなっている病院も多い。簡単に撮影できるからと言って撮影条件があまりにもひどすぎることも多い。それに多くの専門家ががCRはDRへのつなぎの技術だと考えられていると言うこと。最初にCRを開発した富士でさえ、DRをつくっている。
 なかなか従来のアナログなX線の方式を超えるものはできていませんね。なんせ、最初に技術が開発あるいは発見されたのが100年以上前にレントゲン博士によるものだし、根本の物理学に変化はない。確かに技術の進歩によってそれなりに変化はあるものの、管球や発生装置、フィルム、増感紙などと基本は長いこと変わっていない。すごいのはそれが通用すると言うことである。
 そこで、デジタル化を進めた富士はすばらしいと言える。でもやはX線検査はりフィルムとカセッテという感覚があって、CRと言う形になったのかもしれない。しかも、受け入れやすく移行しやすかったのかもしれない。
 増感紙に裏にデジカメをおいて、X線装置のスイッチをデジカメのシャッターに連動すればいいのだし・・・。そんなことを考えると、もっと簡単にX線のデジタル化はできたのかもしれないと思ってしまう。多分それでは受け入れられなかったのかもしれない。まあ、似たような装置を作って売っている会社も長野の方にあったような気がする。
 いずれにしても、モニターで診断すると言うことはフィルムになれた私にとっては非常に煩わしいことである。フィルムの場合よく見たいときは顔を近づけるかフィルムを近づければいいがモニターだとクリックしたりドラッグしたり・・・。でもそれもソフトの部分で何とかすることができるものでなくてはいけないけれどね。クリックして濃度を変えて、クリックして大きさを変えて、などはちょっと大変。
 でも、場合によってはデジタルの方がいいこともあるのは確かである。肺や骨、関節などは特にそう思えるときがある。
 未だにいいとは思っていない。コストに割には十分な仕事(パフォーマンス)をしていないと考えるからである。パソコンパワーは必要ないけれどもモニターやシステムにはお金がかかるというか本来はお金をかけるべき場所でなくてはならない。そこをけちるといいことはない。