画像診断って何だかわかりにくいよね

今更なのだけど、「X線検査や超音波検査、CT、MRIなどの画像から診断すること」ということなのだと思う。本当の定義は教科書などを参照して下さい。

ただ、実際に「診断」と言いつつも本当に診断(確定診断)あるいは本当の病名には至らないことの方が多い。例えば腹部のX線検査を見て「脾臓の血管肉腫ですね」とはならない。もちろん画像以外の情報もとてつもなく重要です。性別、年齢、動物種、体重、症状、血液検査などは最低限必要となる。

業界的にそれで問題ないはず。

じゃあ何をやっているかというと、画像からえられた所見や他の情報とあわせて可能性の高い病名あるいは診断名を可能性の高そうな順に並べること。

例えば、胸のX線検査で、肺が白く見えた時に、「肺水腫や肺炎など何が可能性高い」とかをいう。さらに、そこで心臓が大きければ「心臓病による肺水腫の可能性がある」とかいう。

そして、「次にやる検査は、心臓の超音波検査や聴診、心電図検査、血液検査ではないでしょうか」となる。

とても大雑把な例えではあるけど、ほぼ毎日こんなことをやっている。

私の場合は、X線検査と腹部超音波検査を中心にやっているので、やることはそれほど多くないけど、それなりに忙しいのは、とてもありがたいことであると思っている。

私には、CTやMRIなどの膨大な数の画像データを判断するには時間が足りない。

それよりも、どこの病院でも行えるX線検査と腹部超音波検査を中心に行うことが、社会貢献であると認識している。

細かいことを書くと長くなってわけがわからなくなりそうなのでこの辺で

追記として

超音波検査に関してはちょっと特殊で、画像を読むことだけではなく、適切な画像を得るための手技も重要となる。実際には、検査を行っている人がその場で診断しなくてはならず、保存された静止画像の画像記録から判断するのは難しい。

WindowsパソコンでiPad をサブモニターにする方法

あちらこちらの病院を訪ねて仕事をしていると、空き時間にX線検査や超音波家検査の報告書などを書かなくてはいけないことがあります。そのため、そのような状況になる可能性がある場合には、パソコンを持ち歩くようにしています。使用しているのはWindowsパソコンです。かれこれ30年以上Windowsパソコンを使用してので今更変えるつもりはありません。画像診断をしているけれども・・・事務所には、Mac miniとOsirixとHorosはあります。

さて、携帯性を重視して14型モニターのノート型PCを持ち歩いています。単にWordsなどで文章を書くのは問題なく使えます。X線検査や超音波検査などの医用の画像を見ながら、報告書を書くのには、14型モニターを二画面表示するのはちょっと見えづらいものです。今ではサブモニターなる商品があり、USB-Cなので接続するとモニター用の電源なしで表示することができて、勝手が良さそうです。ただ重そうだったり、かさばったりしそうです。

いつも本や雑誌を読んだり、正常なX線検査や超音波検査の画像を表示したりするためにiPad miniを持ち歩いています。これをサブモニターとして使用できないかと探してみました。

結構いろいろある中でも、今使用しているソフトは二種類あります。WiFi接続する方法とUSCケーブルで直接接続する方法があります。

  1. WiFiで接続

● spacedesk

これはwifi使用して接続する方法です。どのwifiでも接続できるわけではなくセキュリティーなどの条件で接続できないこともあります。wifiの速度や使用するPC・iPad の性能によってはもっさりした動きになり、使いにくいときもあります。

使用するためにやることは2つ、iPad あるいはiPad miniに、App Storeからアプリをインストールします。そして、ノートPCにもアプリをインストールします。

同じWiFiを利用している状況で、Windowsパソコンでアプリを起動時し、iPad でもアプリを起動すると同期が始まり利用できるようになります。PCでモニターの設定をして、サブモニターの設定(ディスプレイ設定>表示画面を拡張する)をして、モニターが上手く拡張できるように設定します。

iPadでアプリを起動した時の画面

  1. USBで接続

● XDipsplay

これはUSBで接続して使用します。多少のもっさり感はありますが安定して利用できます。有線なのでケーブルが必要となります。使用するPC・iPad の性能によって使用感が変わってくるようです。

使用するためにやることは2つ、iPad あるいはiPad miniに、App Storeからアプリをインストールします。そして、ノートPCにもアプリをインストールします。

同じWiFiを利用している状況で、Windowsパソコンでアプリを起動時し、iPad でもアプリを起動すると同期が始まり利用できるようになります。PCでモニターの設定をして、サブモニターの設定(ディスプレイ設定>表示画面を拡張する)をして、モニターが上手く拡張できるように設定します。

iPadでアプリを起動した時の画面

動物(四肢動物)の方向の呼び方

医学では、体の前方とか後方とか頭の方や足の方等を呼ぶときに使うのは、それぞれの方向に「側」を付けて表すことになっている。体の前後方向で、前の方と言う場合腹方向ということから「腹側」といい、後の方の場合、背中から背をとり「背側」という。体の上下方向では、頭の方を「頭側」といい、足の方を「尾側」という。頭では、ちょっと違う表現をするようになっている。さらに脳だけだと更に違う方法が使用されることもある。動物、特に四肢動物でも同様の呼び方が使用されている。

図-1 人の方向

絵を使って説明すると以下の様(図-2)になっている。頭から尻尾までは頭側と尾側で表現するが、マズルから先は吻側となっている。頭でもどこでも背側と腹側という。足に関しては、長軸方向は体に近い方を「近位」遠い方を「遠位」と表現し、前後方向を頭側と尾側で表す。しかし、前肢の場合、手根関節を境にその遠位では前方向を「背側」とし、後ろ方向を「掌側」とし、後肢では足根関節から遠位は、前を「背側」とし、後ろ方向を「蹠側」あるいは「底側」とする。

図-2 犬猫の方法の名称 その1

さらにもう少し追加するので図-3参照。言葉で説明するとわかりにくいけれども、右の方を「右側」、左の方を「左側」、あるものより中心に近いものを「内側」、あるものより外にあるもの「外側」と表現する。

図-3 犬猫の方向の名称 その2

これらの呼び方は慣れてくるとものを的確に表現できるのでいろいろなことで役に立つようになる。特にX線検査の撮影を行う際にも読影を行う際にも絶対に使いこなせるようになる必要がある。

ただ、日本の獣医学では医学で使われている言葉をそのまま持ってきて使用されることも多く、前十字靱帯断裂(本来は頭側十字靱帯断裂)などもその一つ。

獣医学における超音波検査の本-2022年4月

2022年(令和4年)4月版

実際のところあまりない。実際には超音波検査では、実習あるいは練習あるのみで数多くの症例をあてた方がよい。

動物の超音波診断アトラス

ちょっと高い(¥30,800)のと古い(2009/6/30)のが少し気になる。しかし、アトラス(図鑑)的なもので画像が豊富なので1冊はあると良いと思う。原本は英語だけれども、もっと安い新しい。Kindleで買うと更に安い。図版が豊富で比較的質がよいこともあり眺めているだけでも十分楽しめるので、英語がわからなくても問題ない。

Atlas of Small Animal Ultrasonography

本 ¥25,727- Kindle ¥18,698- 発売日 2022/5/24 (この記事を書いている時点では未発売、そもそももっと早く出る予定だったような・・・)

イチからはじめる犬と猫の超音波検査

読んだことありません。

腹部エコー検査パーフェクトガイド のどの奥から腹の底まで

読んだことありません。

すべての獣医師のためのPoint of care超音波~超音波次世代テクニック~

「第2章 腹部の先制スクリーニング超音波検査」を書いています。やはり超音波検査の基本はスクリーニングだね。ただ、もう中古本しかないようだし、買って頂いても私に印税は入らない。

超音波検査を「推理」しながら進めていく

獣医師でも役立つ超音波検査の本だと思う。

この本は最近読んだ医学の超音波検査の中でも面白かったもの。

先生の多くは、超音波検査をやっていて各臓器は描出できるけど、診断を進める上で何か足りないと思っている人もいると思う。すべて人間の解剖や疾患のみを紹介しているものの、得られた画像から何が得られるのか、また何を得るべきなのかの解説を読んでいると自分が何か足りなかったのかを気づかせてくれると思う。

確かに超音波検査は手技重視になりがちで、描出が上手い方が良いと言えるけれどもそれだけではないと気づかせてくれる。そのため超音波検査が得意だと思っている人ほど役に立つのではないかと思う。

人の方の超音波画像を見ていると、画像の質は高いに越したことはないけれどもそれだけが重要なのではないということ思い知らされる。

エコーは推理だ! 腹部エコー画像から診断に至る思考のプロセス 

https://amzn.to/368XtzF

呑気

これをなんと読むか?

例文で見た方がわかりやすい。

1. 彼は呑気だ。

2. この猫は呑気している。

1.はもちろん「のんき」と読む。意味は、「のんびりとしていること」というような意味になる。

2.は?

 

「どんき」と読む。意味は・・・「空気やガスを飲み込むこと」となる。そのため「どんき」と読む人は医療関係者であることが多い。

犬や猫は、基本的に鼻呼吸である。鼻で呼吸ができるうちは何も問題がない。犬はパンティングするので、これをしているときは口呼吸である。

でも、鼻炎なんかを起こして鼻づまりになると、口で呼吸しなくてはならない。そうなると、口呼吸が上手くできない犬や猫は、空気を幾分か飲み込んでしまうのである。すると、食道の中や胃まで空気で一杯になってしまう。さらに、犬や猫はゲップの上手ではないので、胃から少しずつ空気を後へ送って小腸や大腸にガスが充満してしまう。空気はほとんど吸収されないので、おならになって出る以外では、胃腸に溜まってしまう。これで、元気がなくなったり食欲不振にったるすることもある。

呑気の原因は、鼻づまりだけではなくパンティングだったり歯や口の中の病気などで唾液を飲み込むことで、ガスが消化管の中に流れ込んでしまう。

人では呑気症とか空気嚥下症といわれていて、胃の不快感や痛み、お腹の張り、げっぷやおなら、おなかからの音なんかが見られる。

呑気症でAmazon見ると

X線グリッド につて

X線グリッドの図

X線グリッドとは、「ブレンデ」とか「バッキー」とか呼んでいる人もいますが、正式な名称はX線グリッドでいいと思います。

このX線グリッドとは、カセッテの上に載せて使用する板状の物です。この役割は、X線検査時に発生する二次散乱線を防止して、一次X線のみのクリアーな画像をつくるための物です。構造は簡単なもので、X線を透さない薄い鉛の板とX線を透すアルミや紙、木など薄い板を、向後に並べ、窓のブラインドと同じよう一定の方向からの光(この場合一次X線)を通すことで、生体にあったって生じた散乱線がフィルムへ到達しないようにしているものです。

「ブレンデ」とは、X線グリッドの別名でありますが、X線グリッドをさして呼ぶ呼び方としては一般的ではないかもしれません。「バッキー」という言葉は、X線グリッドの分類の時使われる言葉で、リスホルム・ブレンデ(静止形)とバッキー(ブッキー)・ブレンデ(移動型)という分類の時にこれらの言葉が使用されます。


使用するときは、撮影する対象物が10cmより厚い時となります。これは生体の厚みが厚くなるほど散乱線を発生するため、許容できる厚みが10cmということです。ただし、10cmを超えても、骨関節や頭部の撮影には使用しない方が良いと考えます。

ここで注意して欲しいのは「10cm以下の部位には使用する必要がありません」という表現より、「10cm以下では使用しない」という方がよりかも知れません。そのため「10cm以上の部位にグリッドを使用しましょう」という考えの方がよりと思います。グリッドを使用しないで済むならそれに越したことはありません。せっかく撮影したフィルムに細かい線が入ってしまうからです。

近ではDR(digital radiography)やCR(computed radiography)が普及してきて、グリッドなしでもコンピュータ処理によって散乱線が補正されて、より良い画像が得られるようになりました。 また、得られた画像が人の目でも見やすくなるようグレースケールの修正やエッジなどの強調も行われていて、時にX線フィルムではあまり見られなかったものが見られるようになっています。(詳しいことはまた改めて)

一番の問題点は「X線グリッドを使用すると線が入る」と言うことです。骨格や関節の細かい構造を見るためにはこの線が邪魔になります。そのため、グリッドを使用して撮影された場合、関節周囲の細かい骨変化や骨の骨膜反応などが確認できないこともあり、正確な読影ができないこともあります。
「散乱線を減らすためにはX線グリッドは必要ですが、骨関節や頭部の撮影には使用しない」と言うことをお忘れなく。

※ 2022/10/12修正


参考HP:
http://www.jichi.ac.jp/usr/radh/admnradh/kennsyu3.htm

以下の本も参考にしてください。

エラストグラフィについて

エラストグラフィーは医学では乳腺腫瘍にはじまり、肝臓や腎臓などでも活躍されています。
残念ながら獣医学ではそれほど浸透していません。
きっかけで、エラストグラフィのついた超音波装置を持っているので、何か活躍できないかと模索しています。
皆様にもエラストグラフィの理解を深めてもらおうと思い動画を作ってみました。

スパイナル針と動物用エコー針の比較

針穿刺によって目的部位の臓器や組織の細胞を採取する方法をFNA(Fine Needle Aspiration)あるいはFNB(Fine Needle Biopsy)と言います。使用される針は、通常の注射や採血に使用する皮下針であったり、カテラン針、スパイナル針などがあります。個人的には、内針がありベベル(針の先端)の形状などからスパイナル針を使用しています。理由は、まず内針があると目的部位まで針先端をふさいでくれるので、他の細胞が入って来にくいような気がする。(あくまでも個人的な意見です。) また、針先端の形状も皮下針のようにサーベル状ではないため、臓器内に入れたときも無駄に組織に損傷を与える可能性が低いと考えるからです。(あくまでも個人的な意見です。)
このFNAやFNBで採取されるサンプルは、細胞のみであり組織しては採取することはできません。そのため、診断は細胞診というレベルの判定になり、確定診断ができることは多くはありません。
さて、仕事柄このFNAを超音波検査下で行うわけですが、いつも使用しているスパイナル針だとベベルのみが見えるだけで、時に針がどこに行ったわからなくなることあります。そこで、最近発売された、動物用エコー針というものを使用してみました。
動物の針穿刺バイオプシー(FNA)に使用するユニシスの動物用エコー針(23G・7­0mm)とテルモのスパイナル針(23G・70mm)をカップゼリー(たらみ)を使用して比較し­てみました。
準備したのは、超音波装置(Hitachi Aloka Noblus)とエコーゼリー、スパイナル針(23G・7­0mm)、動物用エコー針(23G・7­0mm)、カップゼリー(ローソン たらみ ミックスゼリー)です。

2つの針の間に中にエコーゼリーをたらして見ます。

左がスパイナル針で右が動物用エコー針です。やはり動物エコー針の方が針自体を確認でき安心感があります。スパイナル針はベベル(針先端)のみです。
針の角度を変えてみました。

左が動物用エコー針で右がスパイナル針です。動物用エコー針は問題なく確認できますが、スパイナル針はより見づらくなっています。
でも、動物用エコー針で輝いて見える場所と実際の針の場所には少々ずれがあるように見られます。ずれていることがわかっていれば問題ない範囲であると思われます。あとは針の値段ですね。
youtubeに長いバージョンをUpしておきました。興味ある方はどうぞ・・・

胃内の異物なのでしょうか?

先日の腹部超音波検査で胃の幽門洞にこのようなものが見られました。
異物でしょうか?
内心ドキドキで『異物なのか・・・異物ではないのか・・・』

周囲のゼリーは、赤から黄であるのに対して、ナタデココは青を示しています。
同じエコーフリーの物質でも弾性に違いがあることがわかります。
次に、ヨーグルトゼリーの中にナタデココが入ったものでは以下のようになります。
Ee000_20130502132715
周囲のヨーグルトゼリーのエコーレベルは高く、それと比較してナタデココはやはりエコーフリーを示しています。
ヨーグルトゼリーはエコーレベルが高いのに驚きました。
これにエラストグラフィーをかけてみると以下のようになりました。
Ee000_20130502132706

周囲のヨーグルトゼリーは黄から緑を示しているのに対して、ナタデココはほぼ青を示しています。そのため、周囲のエコーレベルの状態で弾性が判断できないことがわかります。
ゼリーは後日ちゃんと冷やして味わわせていただきます。実際には、ナタデココ単独の弾性を調べてみようかと思っています。実際に今回使用したカップゼリーはメーカーが違うためにナタデココの弾性も違っている可能性があるらです。実際に食べてみればわかりますかね。
日立メディコのページにエラストグラフィー(Real-time Tissue Elastography)についての説明が載っています。
http://www.hitachi-medical.co.jp/tech/based/us/rte/index.html
何となく感覚がつかめてきたように思えます。
これから症例数を増やしていければと思います。
ご協力いただければ幸いです。 (^_^;)

Elastography について その1

 今回購入した超音波診断日立アロカの「Noblus」には「Real-time Tissue Elastography」というものが付いています。現時点では獣医界ではあまり普及していないものである。医学でも使用は結構限られていているようです。
 実際私もよくわかっていないことも多く、感覚的または直感的に画像を理解するために、とりあえずいつもの方法で実験して見ました。
まず、いつものカップゼリー(\105-)。
Img_0617
そして、エラストグラフィーのモードが使えるリニア型プローブであててみます。
Img_0623
リニア型プローブなので四角い画像が得られます。
Ee000_20130425144446
これに、エラストグラフィーモードにして、プローブでカップ表面を圧迫しカップ内部からの信号を得ます。そして以下の様な画像が得られます。
Ee000_20130425141217
ここでは、右に通常のB-modeの画像で、左にB-mode画像にエラストグラフィーを重ねたものです。領域内に示されたカラー表示でその領域内のものの弾力性がわかるというものである。カラー表示は、左端にあるゲージを見ると上から赤、黄、緑、青の順に並んでいて、上に行くほど柔らかく(弾力性に富んでいる)下に行くほど堅く(弾力性が少ない)なる。そのため、上の画像から言えることはゼリーは柔らかくゼリーの中のフルーツは堅いということがわかります。
ちなみに、左の画像の下にあるグラフのようなものはプローブにかかる圧力を示しています。適切な圧をかけているかがわかります。ここに正弦波(サインカーブ)のような綺麗な波形が描かれれば、安定したエラストグラフが得られるようです。ただ、カップゼリーで試してみてもなかなか思うようなグラフを得ることがきませんでした。練習なのか・・・。

では、弾性の比較として、ゼリー内の白桃(右上)と黄桃(左下)を比較して見ます。
Ee000_20130425143501

以上のように、白桃と黄桃では弾性に違いがないことがわかります。
まあ、フルーツゼリーではこの程度のもなのでしょう。
もうちょっと別の方法を考えて見ます。

日立アロカの超音波装置 Noblus

 今までいろいろとポータブルの超音波検査装置を見てきました。小さかったり軽かったりと、どれも大変ポータブルに適していました。でも、これらの装置は、ボタンやダイヤルなどの扱いやその他のものがポータブルを目的として作られていました。そのため、実際に使用するには、困難なことが多く、自分で使用するための超音波装置の選択は大変困っていました。
Img_0528
多分ポータブルな超音波検査装置は、そのときの目的を設定しておいて、限られた検査を行うためのものであると行ったような目的には適しているようです。しかし、私のようにその場の状況に応じて使い方を変えるようなやり方には適していないように感じています。
このNoblusは、持ち運びを主な目的として作られていないようで、どちらかというと持ち運びはできるけど、診察室のデスクの上にのせておくことや、ある程度の施設の間で持ち運びができる程度なのかもしれません。そのため、まあ見た目はポータブルと言っても設置を視野に入れていると考えられます。
本当の意味でかつてのSonositeのように屋外での使用などには向いていませんが、他の動物病院を訪ねて行って、設置して使うには適している装置であると考えます。
デモ期間中はショルダーベルトを使用して持ち運びましたが実際には大きなアタッシュケースみたいなもの(下写真)に付属品含め収まるようです。ケースに入れて、電車や飛行機に乗ることも想定されているようです。
この中にプローブ3本とその他の諸々が入るらしい。ただプリンターは入らないらしい。
Box00
Box01
Good:
モニターが大きい
装置のボタンなどの多くは通常サイズの超音波装置並み
画像もよい
部分的にタッチパネル
DVI端子で外部モニターに接続できる
専用台車にのせて使用しても収納時は結構コンパクトに収まる
Bad:
部分的にしかタッチパネルが使えない
本体にプローブ接続が1箇所
キーボードが小さい
以下は写真です。
モニターが大きい
Img_0518
操作盤も良好
Img_0525
折り曲げた状態、操作盤とモニターともに折り曲げられ小さくなる
Img_0517
装置背(?)面 DVI端子と心電図、プリンター用USB、電源ケーブル
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装置左側面 USB2個
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追加写真
実際に使用するとこんな感じになります。
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最終回をおえておよび全シリーズと通して

とにかく、「超音波検査再入門」の最終回(5回目)が終了しました。最終日に欠席が2人なのはちょっと残念でした。力不足を感じます。
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 今回の「超音波検査再入門」は、心臓のドプラ検査およびカラードプラ検査でした。これを短時間で説明するのは結構大変です。本当に本来知っていなくてはいけないだろうなと思えることがたくさんあり、どこからどこまで含めるか悩んでしまい、ついつい講義中もそんな素振りが出てしまっているかもみたいな弱気の部分が気掛かりでした。でもまあ、心臓に関していろいろ言い出すとキリがなないので、まず第一歩としてやるべきはこれぐらいという範囲でお話したつもりです。(知らなくてはいけないことをほんの少しだけ、そして知っておいたほうが良いことは省いてしまいました。)事情があり、今までのようには実習犬が使用できず・・・何が何でもやっぱり実習犬は重要なポイントになります。
Img_0478_2Img_0479_2
 5回全シリーズを通して想ったことは、「事故などもなく無事終わってよかった。」ということです。そして終わってしまうと何とでも言えそうであまり言う気にはなりませんが、あえてなんかをいうと「本当にみんなの役に立ったのかな」ということです。こちらが提供したものが適切かどうかなんでなかなか判断は難しいのだと思います。気持ち的には「人事を尽くして天命を待つ」みたいな気分なのです。いやいや本当に人事を尽くしたかといわれると「ん〜、もちょうとできたかな」なんて思えてくるので致し方無いですね。
本当の参加した皆様お疲れ様でした。
メインのパソコンの電源故障のため写真は後日掲載の予定 2月4日写真掲載
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日立アロカの「Noblus」だよ。買おうかな。

四回目の「超音波検査再入門」を終えて

Img_0417ビジョナリーアーツ
 気がつけばもう12月今年も残すところあと少しとなり、「超音波検査再入門」のセミナーも残すところあと1回となりました。ここまで四ヶ月もかけてきた割には早かったと感じられます。「人前に立つのは大嫌い」なんて言いながらも、ここまでやってこれたのは、参加者や主催者の熱意と日立アロカメディカルの協力があってのことであると言えます。もう終わりみたいなことを言っている場合ではありませんまだ1回あります。気を抜くわけにはいきません。
 
まず1つめの反省点は、前回のセミナーの反省ブログをUPする前に今回のセミナーになってしまったと言うことです。まあ、時間がなかったと言うよりは、ちょっと怠けて先送りしているうちに時間切れとなってしまったと言うことです。情けありません。
Img_0420Img_0421セミナー準備中
前回の分は今更で書きかけなのですが・・・
心臓の構造がもう少しわかりやすくできたら思う。アイデアはなくは無いけれども書いてしまうと、陳腐になってしまいそうでもう少し頭の中で妄想を膨らませてからにしてみようと思う。ただボツになることもあり。
Img_0378jpg_2第3回のセミナーの実習風景
今回の再入門という内容からはコンテンツ自体は適当かと思うけれど、時間配分にはまだ検討の余地があるのかもしれない。などなど考えてはいるものの、私が感じたものと、それを受け取る先生方では感じ方が違うと思われ実際には今回いらした先生方にご意見をうかがわなくてはならないと思う。まあ、いわゆるアンケートが必要なのでしょう。

以上です。
さて、今回の反省点は、スライドでもう少しM-mode検査で見られるわかりやすい症例なんかを入れられたら良かったかもしれません。
(反省終了)
今回良かったことは、実習に時間が多かったことかもしれません。M-mode検査に特化してしまったため時間があり余って困るかもしれないとか内心どきどきしていたのですが、やってみたらなんてことなく1テーブル4から5頭のワンコでかわりばんこに実習ができていたようです。横から見ていても、参加者の皆さんがだんだんと心臓にあてられるようになってきているのが目の前で見られたことに少し感動を覚えました。
まあいかにに楽しんで学んでいくかが重要(続かないし、そもそも頭に入らない)なので、その手伝いができれば
と思っています。
Img_0425実習風景(各テーブル1)
Img_0426実習風景(各テーブル2)
Img_0427実習風景(各テーブル3)
Img_0429実習風景(各テーブル4)
Img_0428実習風景の全体像

二回目の「超音波検査再入門」を終えて

久しぶりの超音波検査のセミナーシリーズだったので、とても緊張したし、準備もなんだか手間取ってしまった。以前は書いていた反省ブログも書き忘れていたりする。
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写真は、セミナーをやっている専門学校
まあ、今回は一回目の分もも含めて反省していきます。
一回目の一番の反省点は、何と言っても「緊張しすぎ」でした。そして、細かいところは書いておけないほどいろいろあるけれど、スライドの選択や時間配分、話さ方などなどとキリがない。
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と、ここまで書いて二回目も同じような反省点であることに気付いたので、反省点もほぼ同様でよいでしょう。でも、反省は反省であり真摯に受け止めて、できる限りの方法で対処していかなくてはならないでしょう。
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でも反省ばかりでは仕方ないので、良かった点も挙げる。
ロケーションが「渋谷」
施設がきれい
最も重要なのは「実習犬が良い」
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この「良い」というのは、いろいろな意味を含めてということです。参加するとわかるかもしれません。

SONOACE R3

長らく更新をしていないまま時間が経過してしまい・・・。
先日、SONOACE R3 のDMがエムキャストという会社から各動物病院あてに送られてきたものと思います。聞いたことのない装置でしたのでちょっと検索してみたところ、MEDISONという会社の装置ででした。そう言えば「SONOACE」と言えばMEDISONでしたね。DMではとっても安くなっているようなのででもデモしてみようかなと思っている矢先、往診先の先生が早々とデモをしていたので、早速インプレッションをと思います。
Sonoace_r3
この装置は取っ手がついていることからポータブルなのでしょうが、バッテリーは入っていません。でも十分軽いので、行った先でコンセントに差し込めば使えるというものですね。立ち上がりはWindows何とかが入ってる感じで立ち上がります。ハードディスクが入ってるのでしょうがどれだけの大きさが入っているのかよくわかりません。液晶の大きさは十分大きく申し分ありません。コントラストも良いと思います。しかし、画面の真ん中に超音波画像で周囲のデータ領域が大きくて、この大きさの液晶画面の良さが生かされていません。デモこれは最近の傾向で、小さく表示他方が綺麗に見えるから? (親会社のSamsungの液晶を使っているのでしょうか?Samsungの液晶ってそんなに悪くないような気がします。)キーの配置は問題なく、押し具合はちょっとゴムをぐっと押し込むような感じですが、SonositeのTitanほとは硬くはありませんでした。いずれにしても、防水のためでしょう。
デモしていたプローブはマイクロコンベックスとリニアでした。このマイクロコンベックスはちょっと大きいと思います。手が小さい人には向かないかもしれません。先端の弧は30Rぐらいなのでしょうか。かなり視野が広いと思います。通常の検査では85%に絞ってありました。画像的には我慢できる範囲でした。リニアは良好でした。(リニアが悪い装置は本当にだめかもしれませんね。)
R3_probe
裏側は写真の感じです。
R3_back
白黒専用RCA端子やDVI端子、S端子、LANなどが付いています。そしてUSB端子が後ろに2つ、本体の横に1つあります。プリンターはUSB接続のようですね。
プローブの端子は見たとおり同時に2つを刺すことができ、キーボードのボタンで切り替えることができます。
心電図は付かず、計測パッケージは心臓に関するものは見あたりませんでした。心臓を見ることは考えていないようです!!
カラードプラとパワードプラが有り、ドプラのモードはパルス波のみでした。まあ連続波ドプラをつけてこの値段は無私なようですね。思ったより腹部でカラードプラは描出されていました。後は以下参照してください。なんせ、宅配便で送られてきて自分で勝手にいじってデモすると言うことなので十分な性能が引き出せていないような気もしますが、全体的にはこんなものなんでしょう。ちなみに今回の超音波検査では毛刈りはしていません。エコージェルも使用していませんので、多少画像の劣化はあります。
Lkid
Rkidc
Tes
Mr
確かに、10年前の装置を持っているよりは良いかもしれません。院長のポケットマネーで買えると言うところが最大のポイントでしょうか。