エコーってEBM向きではない

 人に教えようとしていろいろ調べ出すと最近何かとEBMって言葉にぶつかる。知っての通りEvidence-Based Medicineということで根拠に基づく医療ということである。どうしてもこのEvidenceという言葉に引っかかる。根拠ということで、どの程度までが根拠でどの程度からがそれ以外なのかということである。10年以上このての仕事に携わっていると昔学んだり読んだりしたことやいろいろな経験がごちゃ混ぜになっていて、根拠なのかどうなのかよくわからない。たとえそのことにEvidenceがあるのかと聞かれてもよくわからないようなことが多い。「X線検査で心臓の大きさが大きいことと心疾患がある」と言うことで過去に論文が出ていたのか、「X線検査で腎臓の大きさの判定に第2腰椎が使用される、また、心臓の大きさの判定にVHSが使用されるが、そもそも、動物の大きさと脊椎の長さの相関関係にEvidenceがあるのか」などなど・・画像診断はいわゆるEBM的ではないかもね。
 さらに、画像診断では、画像に見られる変化を言葉で表現できないと論文でも学会でも発表できない。肝臓の実質の変化を粗造であると表現しても十分ではない。でもその粗造感を「均一に不均一」とか「不均一に不均一」などと表現していても、そもそも正常な肝臓実質が適切に表現できていないので発表できるに至らないのが現状である。「肝臓実質で低エコーのつぶつぶ感が眼に残るような感じだと浸潤かな」とか言っているのでは全然だめである。難しいね。これじゃあEvidenceにならないねえ。と言いつつ、これでは本来のEBMの解釈ではないですね。
 獣医師の中にもEBMについてちょっと思い違いをしている人がいるような気がするので使い方は十分に注意しましょう。特にEvidenceの使い方が難しいですね。なにをもってEvidenceとなるのか十部に検討しないうちからEBMという言葉が流行ってしまってイメージばかりが先行してしまって、もやはLOHAS状態ではないですか。だったらEBMも早いうちから登録商標にしてしまえばよかったのにね。
参考までに(よく理解しましょう)
EBMについて(http://spell.umin.jp/EBM.htm)
EBMのWiki
LOHASのWiki

最近

Okapi01
 最近ちょっと更新がおっくうになってきた。ここに書こうと思っていたことがパソコンの前に座った瞬間にさっくり忘れてしまうのである。ここ最近同じようなことが何回かあって書くことが思いつかなくなっているのである。あーあ・・・
Okapia johnstoni  まあ 森の貴婦人 オカピ ですね。

ちょっとお出かけ

Maboku
 先日少し出かけてきた。山奥に泊まり静寂の中で目覚めたのは久しぶりのような気がする。思わず耳が聞こえなくなったような感覚にちょっとびっくりした。耳を澄ますと鳥の鳴き声がした。あまり聞き慣れない鳥の声であった。でも聞いたことがあるような・・・。名前も知っているような・・・。などといいながら、テラスへ出て見回してみた。早朝の森の中は寒ささえも気持ちいい。この心地よさは何ともいえない。つくづく、たまには人里を離れるのも必要かと思う。