アメリカの獣医学

 先のブログでアメリカの獣医学への関心が日本では薄れているとかいうことを書いたけれども、全く廃れているわけではない。やはり多くの部分学ぶところは多いと思う。しかし、理由として考えられるのは、今まではアメリカのやり方をやっていれば大丈夫というような考えが充満していたけれども、今ではアメリカのやり方をそのまま踏襲しても日本では通用しないということがわかってきたということなのでしょう。どんな場合にしてもアメリカの方が幅広く平等に勉強をする環境は整っていることは確かである。
 私の頃に比べてアメリカに行って勉強してくる人が多くなっているだろうし(多分・・・?)、実際にアメリカの専門医を持って日本に帰ってくる人も増えてきている。それだけ、日本の獣医学のレベルが上がったということは十分にあると思う。しかし、それだけではなくアメリカでの獣医学の方向性がぼやけてきているのではないかと思うところがある。以前ほど最先端とかいう方向ではないのかもしれない。よくはわからないけれども専門医性の弊害(縦割り的なもの)などが出てきたり、専門医の数が増えて来て飽和して来たことによって、専門医の仕事がそれほどおいしくなくなって専門医になりたい人が減ってきているのかもしれない。実際に知り合いのアメリカの専門医の先生でさえも専門医性に対する疑問をいっている人もいる。
 こうなるとアメリカの獣医学も暗中模索ということなのかもしれない。少し前までEBMがはやっていたけれども今では「エビデンス」という言葉を使用しなくなってきている。(単にエビデンスを判定することが困難であることがわかったということなのかもしれないけれども)アメリカの商業誌を購読していたけれども、年々薄くなってきていて、内容もありきたりのものになってきていた。今年に入ってVeterinary Medicine と Compensium の購読をやめた。日本の商業誌のでもアメリカの雑誌の翻訳が減ってきているのは見ての通りである。さらに日本の商業誌は若い執筆者が増えて来ているのは頼もしいと思う。
 別にアメリカの獣医学が衰退してきたというわけではないと思う。やはり最先端だしちゃんとしたことをやっていると思う。活発ではなくなってきた様に感じるのはなぜなのかやはりよくわからない。

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