出版物

 調べ物などと称して専門誌や商業誌、教科書などをひっくり返している。あまり隅から隅まで読まないけれども・・・。通常専門誌は提出された論文や症例報告、総論などその雑誌にあるいは学会の決められた規定で審査する人がいて内容や方法などに問題がないか審査される。もちろんそこに引用されている論文なども適切か判断されるものである。
 それに比べ商業誌は通常全く審査なされないでたれ流しな状態である。だから内容が間違っていてもあまり問題にならないのかもしれない。でも、書いている人の信用問題なのでたぶん一生懸命書いていると思う。それでも、引用されることはないしするべきではないと思う。(たまに・・・)
 さて、問題は教科書と専門書である。これも商業誌同様に審査なしである。そこにあるのは書いている人のモラルだけである。これもやっぱり書いている人の信用問題なので一生懸命書いていると思う。アメリカの教科書には版(いわゆるedition)を重ねていっているものがあるけれどもその教科書はそれだけ信用があると考えてもいいのかもしれない。出版社の側からいわせると売れる本は金になるということなのでしょう。読者全体が審査しているということなのでしょうか。でもこれは引用していいのか、と思うときもある。まあ、昔からいわれている事柄だけれども論文はなく、この教科書のこの部分しかないといった記事もあったりするのは事実である。また、解剖や組織、病理などは別かもしれない。
 日本の現状として獣医臨床系の教科書や専門書はほとんど書かれてない。(国試程度ならば・・・) ほとんどがアメリカの教科書の輸入翻訳である。で、アメリカの教科書を見てみると、メジャーな教科書は2から3年に1回更新されている。すさまじい速度である。それに以前に増して値段が上がった。厚みが増したからから?カラーが増えたからか?翻訳の速度も上がってきたね。前は2年以上だったのが1年を切るようになってきた。以前は翻訳を1冊やったことがあったけれどもあんなの十がやるものではない。翻訳は英語ができるからやるのではなく日本ができるからやるのものなのである。時間がある人のやるものである。やっても自分の身にならないしね。料金も安い。やっても勉強になったというよりは時間の無駄だったという感じですね。本当は獣医師のやる仕事ではないね。それはいいとして・・・。
 ではアメリカの教科書の信憑性はどうなのか?誰が判定しているのかな。本になっているからと信用していいのかな。もしかして全ては売上で決まるのかもしれない。でも、教科書の参照している参考文献はちょっと気になるね。
追記
 そう言えば私のアメリカの師匠が「教科書は歳をとってから書くものじゃ」といっていた。やっぱりそう言うことなのね。ある意味、教科書を書くと言うことは名誉職と言うことなのでしょう。

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