核医学のリアリティー

 先日の学会で農林水産省の畜水産安全管理課の人が来て今回の獣医療法の改正について話をした。結局のところ我々が核医学でできるのはTc-99m(テクネシウム)とF(フッ素)-18のみであるということでした。(今更知ったかよ!!)基本的に我々獣医師で使用できるのは医薬品として認可されているものであり、自分の場所で製造することは許されていないということでした。
 Tc-99mは半減期6.01時間でありガンマー線を放出する核種である。Tc-99mではガンマカメラと SPECT (Single Photon Emission Computed Tomography)を行うことができる。よく使われるのはボーンスキャンということで、骨変化が起こっている部位を調べることを目的とした診断方法である。ほか、キドニースキャンやラングスキャンなどがある。実際には転移探しなんかに使用されると考えますがどの程度の需要があるか・・・。
 また、F-18は半減期が109.8分でありより短いが、対のポジトロン (陽性に荷電した電子)を放出する。そのため、 PET (Positoron Emission Tomography) に使用することができる。 FDG (Fludeoxyglucose) にタギングして使用して行う。悪性腫瘍の診断などに使用することができるらしい。
 これらの廃棄物はF-18に関しては通常ゴミとして捨てられるようだが、Tc-99mは専門の業者に頼まなくてはならないようである。(都道府県指定の業者ということらしいけれど、まだ決まってないようなことをいっていた・・・)
 やるとなったら施設に放射線取扱主任1種または相当?の責任者を置く必要がある。本当に臨床に必要かどうかは別として、ちょっと興味がありますね。ガンマカメラぐらいならやってもいいかもしれません。どうせやるならSPECTかな・・・。アメリカの獣医界ではPETととかSPECTなんてやっていないでしょうね。たぶん必要性を感じていないのでしょう。
 CTとMRIの区別できない人たちもいっぱいいるのに、PETとSPECTの違いを説明するのは大変そう。

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