超音波診断装置の造影剤の応用方法

 遺伝治療はいろいろな疾患に使用されている。特に腫瘍の治療では効果的な方法として様々な使用のされ方をしているようである。適切な薬物量を目的の部位に必要最低限の時間だけ投与することが重要になり、DDS(Drug Delivery System)が重要なことになる。
 そこで注目されたのが、超音波装置に使用される造影剤である。これらの造影剤は小さな含気している小胞であり静脈内に投与されると血流に乗って全身に広がっていく。そして超音波検査を行っている目的部位にくるとその超音波装置からの超音波によって壊れたり変形したりして特殊な周波数の超音波を出すことで造影効果をだすというものである。
 日本では2種類の超音波造影剤が認可されている。レボビストとソナゾイドである。レボビストは心臓や卵管造影などに使用され、ソナゾイドは肝臓の検査を目的としている。それぞれ造影は全く違った方法で行われる。レボビストは血流に乗って超音波が当たるとこの小胞が壊れて超音波を発生してそれをプローブに返す。これに対して、ソナゾイドは小胞が超音波が当たると変形(振動)することで特殊な周波数の超音波をプローブに返す。レボビストは壊れずに血流に乗ったりクッパ細胞に取り込まれたすることで目的臓器の状態を把握することができる。
 造影剤の話で長くなってしまったが、ここで重要なのは超音波装置によって壊れる方の造影剤である。この壊れる小胞の中に薬物を入れておいて、血流に入れる。そして、目的とする臓器を超音波装置で見てると、血流に乗った小胞がきて、その部位でこの小胞が壊れる。すると小胞内の薬物がその部位に流れ出て高濃度の薬物を目的とする部位に届けることができるというものである。特に遺伝治療に使用される薬物を効果的に目的部位に届けるには有効な方法であると言うことが報告されていた。
 多分重要なのは小胞の超音波造影剤の機能を残しつつ薬物を入れると言うことなのだと思う。でもそこは化学屋さんの仕事である。しかしこの方法が実用化されたらいろいろなことに応用できそうだと思う。抗がん剤入れるとかね。
あれ?別に造影剤の機能はなくてもいいのか?でもあった方がそこに薬剤がきていることがわかるからいいよね。
Sonazoidちなみにこれはソナゾイド

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