解剖の本

 前にX線解剖の本につて書いたけれども、その前に解剖の本もX線読影に限らず画像診断にはともて重要なポイントである。以前も書いたことがあったような気がする・・・。まあいずれにしても、いい本がない。
犬で基本となるのはMillerのAnatomy of the Dogである。翻訳本もあり「犬の解剖学」なんていう名前で出ていたような気がする。みんなが持っているこの「犬の解剖学」は用語があまりにも頼りないのである。大きくは間違ってはいないと思うけれどもね・・・。

 特に画像診断に応用できる解剖の知識は単に解剖の名前の学習というわけではない。臓器の位置関係や体における位置などが結構重要になってくるのである。もちろん個体差や種類差などを考慮しなくてはならないと思う。そのため特に「柔軟な解剖の知識」というか「臨機応変な解剖の知識」が必要だったりする。超音波検査は検査している人の解剖の知識が重要になってくる。でも、本にあるような知識だけではない。ということ。犬の形や年齢、そして疾患などに伴う変化なども知っていなくてはならない。最近では、コンピュータ断層(CT)検査や磁気共鳴画像(MRI)検査が普及してきているために、画像にある解剖を理解すると結構立体的に考えなくてはいけないのである。
 X線検査では各臓器の位置関係や体における位置は動物ポジションなどで変わってくる。しかし、それを図版で説明するのは難しい。そうなると文章でのフォローが必要になる。でこの部分で、やっぱり良いものに出会えない。翻訳でもなかなかいいものに出会えないのが実情である。
 そしてもう一つ必要なのは正確な解剖用語の統一性である。人では欧米のはTerminologia Anatomica (かつて Nomina Anatomica と言われていた) なんていうものがあってそれぞれの構造に適した名称を検討して当てている。日本の医学だと同様なことも行われていて解剖学用語 改訂13版を出版している。

で獣医学では獣医解剖・組織・発生学用語と言う本がある。多分、用語の羅列で作られた辞書みたいなものなのでしょう。でも値段高いね。

 今よく使っているのが犬の解剖 カラーリングアトラスである。別に塗り絵を目的で買ったわけではなく、文章も簡単で用語も獣医解剖学会編集のため安心して使用することができる。針金止めであり開きっぱなしになる。しかも安い。手元に置いて解剖名の確認に使用するのにとってもいい。内容は十分ではないけれどもね・・・。そんなときは、犬の解剖学を使用するしかないですね。