解剖の本

 前にX線解剖の本につて書いたけれども、その前に解剖の本もX線読影に限らず画像診断にはともて重要なポイントである。以前も書いたことがあったような気がする・・・。まあいずれにしても、いい本がない。
犬で基本となるのはMillerのAnatomy of the Dogである。翻訳本もあり「犬の解剖学」なんていう名前で出ていたような気がする。みんなが持っているこの「犬の解剖学」は用語があまりにも頼りないのである。大きくは間違ってはいないと思うけれどもね・・・。

 特に画像診断に応用できる解剖の知識は単に解剖の名前の学習というわけではない。臓器の位置関係や体における位置などが結構重要になってくるのである。もちろん個体差や種類差などを考慮しなくてはならないと思う。そのため特に「柔軟な解剖の知識」というか「臨機応変な解剖の知識」が必要だったりする。超音波検査は検査している人の解剖の知識が重要になってくる。でも、本にあるような知識だけではない。ということ。犬の形や年齢、そして疾患などに伴う変化なども知っていなくてはならない。最近では、コンピュータ断層(CT)検査や磁気共鳴画像(MRI)検査が普及してきているために、画像にある解剖を理解すると結構立体的に考えなくてはいけないのである。
 X線検査では各臓器の位置関係や体における位置は動物ポジションなどで変わってくる。しかし、それを図版で説明するのは難しい。そうなると文章でのフォローが必要になる。でこの部分で、やっぱり良いものに出会えない。翻訳でもなかなかいいものに出会えないのが実情である。
 そしてもう一つ必要なのは正確な解剖用語の統一性である。人では欧米のはTerminologia Anatomica (かつて Nomina Anatomica と言われていた) なんていうものがあってそれぞれの構造に適した名称を検討して当てている。日本の医学だと同様なことも行われていて解剖学用語 改訂13版を出版している。

で獣医学では獣医解剖・組織・発生学用語と言う本がある。多分、用語の羅列で作られた辞書みたいなものなのでしょう。でも値段高いね。

 今よく使っているのが犬の解剖 カラーリングアトラスである。別に塗り絵を目的で買ったわけではなく、文章も簡単で用語も獣医解剖学会編集のため安心して使用することができる。針金止めであり開きっぱなしになる。しかも安い。手元に置いて解剖名の確認に使用するのにとってもいい。内容は十分ではないけれどもね・・・。そんなときは、犬の解剖学を使用するしかないですね。

X線診断の教科書

 獣医学での基本となるX線診断学のテキストは2つある。いやもっとあるけれども薦められるのは2つぐらいである。Donald E. ThrallのTextbook of Veterinary Diagnostic RadiologyとJ. Kevin KealyのDiagnostic Radiology and Ultrasonography of the Dog and Catである。著者二人ともアメリカの放射線学会では重鎮だね。
 テキストで問題となるのもちろんは内容であり、写真ではない。できる限り豊富で的確な情報が必要である。10年に1回みるかもしれないような情報も重要ではあるがそれに多くのページを割いてあるようでは意味がない。X線診断学で話題になるのは、脊椎分離症である。多分本物をみる機会はそれほど多くはない。しかし、変形性脊椎症に関しては、脊椎のX線写真をみる内の多くのものに関してみられるものである。これらの割合を教科書で見てみると、場合によっては脊椎分離症は1ページ近く費やしてるのに対して、変形性脊椎症に関しては、1段落ぐらいしか費やしていない。書いている人の興味なんて言うものも関係しているのかもしれないがこれでは駄目だと思う。
 Thrallのテキストは学生の教科書として使用されていた。馬も載っているしね。
 でもまあ、ぐだぐだ言っても全て英語だね。翻訳本もありますが・・・。高いよね。特に最近アメリカのテキストの版の更新頻度が多くなってきているような気がするので、翻訳が終わる頃には次の版が出ていたりして・・・。ちょっとつまんないことになってしまう。

X線解剖の本

 いままで多くのX線解剖の本が出ている。やはりX線検査を行ったときに性状像との比較が重要になることは言うまでもない。でも、この手の本は一般的に値段が高い。その割には撮影している条件がベストでなかったりポジションがちょっと甘かったりする。少し残念である。そんな中でも情報量が多く写真も比較的きれいなのは去年第2版がでた「An Atlas of Interpretative Radiographic Anatomy of the Dog and Cat」である。実はこの手の本は1版と2版の差がないことが多く自分でも2版は買っていないので、内容について1版のものをもとにしている。

以前から大判のハードカバーの本でドイツ語と英語で書かれたものが出版されていた。当時はほかになかったから仕方がないのであるが、いかんせん写真が今ひとつであった。画像がつぶれてしまっているのである。以下の本はそれと同じかどうかは知らないが・・・表紙がきれいなので買ってもいいかななんて思ってしまう。


と、ここまで引っ張っておいて現実問題臨床の場において、このような本を出してきて調べる時間なんてないのかもしれませんね。

鑑別診断リストの本

 前稿で画像診断の鑑別診断リストにほんのちょっと触れたけれど、それならばこんな本がある。実際に私はほとんど使用してない。必要ないというわけではないのだけれども、意見が合わないというのがいいかもしれない。肺とかの分類はパターン分類とかあるけれども、やはり分類方法が甘くこのままだと腫瘍でも炎症でも可能性ありという何でもありと一緒のことになってしまう。駄目ではない。そのため、この本は鑑別診断リストの作成が重要であると考えていてその作り方に慣れていない獣医師向けである。それがどんな人かわからないけれども・・・。所見や部位の分類の方法やそれに対するリストは問題ない。ただ所見に対する方向性が違うのである。まあ言い換えると意見が合わないということになるのである。ある意味ちょっと残念な本なのである。画像診断を志すなら持っている必要があるかもしれません。そんなに高くないしね。

 通常の症状などから鑑別診断リストがみられる本もある。画像診断とは関係ないので、一般臨床という意味ではとこっちの方がよほどためになると思う。ただ部分的には意見の合わない部分もある。けれども急いで症状などから鑑別リストを考えたいときにはとっても役に立つ。こちらの方がよく使っています。実はこの本小さくて持ち運びに便利なのである。鞄に入れてそっと出先で見ることも可能。そして、この本は本当にリストのみである。単語が並んでいるだけで文章はない。英語ができなくても単語がわかれば十分である。値段も高くない!!!。

種類別疾患の本

 医学・獣医学含め画像診断はどちらかというと特殊な分野で、検査部門と臨床部門の境目にいるような存在であると思う。診断には徹底的にこだわるけれども(?)、治療には積極的ではない(ある程度しらないと話にならない)。この部分は私ももうちょっと勉強が必要であると思うが・・・。
 でもやっぱり、画像診断は今この動物がどうなっているのかを画像で捕らえることに終始する。画像のみにこだわりすぎてもだめだと思うけれどもね。
 そこで結構重要になってくるのが動物の種類である。獣医師の扱う動物は小動物と大動物という区切りではなく、犬や猫、牛、豚、フェレットなどでも十分ではない。齲歯などのことは別として、犬や猫ではどの種類なのかが結構診断で重要な部分であったりする。(眼科では特にそのよう・・・) いわゆる犬種別や猫種別の疾患も知らなくてはならない。種類によっては鑑別診断リストの順番が変わってくる。
 でも、基本的に記憶が苦手な私は覚えられないので以下の本を使用している。日本にはかつて翻訳された古い本(ハードカバーの犬種別疾患なんとか・・・犬だけか?)があったがそれ以来この手の本は欧米でも日本でも出版されておらず翻訳すらされていない。確かに日本と欧米の犬や猫の種類は同じ種類でも原種の違いか多少の相違があることは認める。しかし、基本となる疾患は大きく違ってないので、やはり画像からの鑑別診断の種類は重要なポイントとなる。(本当雑種でもどの系の雑種か知りたいときもある、例えば柴犬系とかシェルティー系とか) で、実際にはアマゾンで探してみたけれどそれほど多くの本が出ているわけではないよね・・・と思って調べてみたら下の一つしかなかったね。でも、一つ持っているといいと思う。

 この本はおすすめ本にも紹介している。また、各疾患についての内容は詳しくはないものの、各動物種について分類して疾患名が載っている。確かに多少「???」というところもなくはないですが、この様に種類別に疾患を分けてもらうと、辞書代わりに使えてちょっと見るときにとっても鑑別診断リスト作成には大変役立っている。とくによく知らない犬種では重宝します。でも全てアメリカが基本となっているので日本やヨーロッパの犬種はちょっと弱いかもしれない。
まだ発売されていないけれども以下の本も気になるね。

専門医の作り方

 子供たちが見ているアメリカのアニメで「パワーパフガールズ」で(詳しくはWiki参照)、3人のパワーパフガールズをつくるときに「砂糖とスパイスと素敵な物をいっぱい、そしてケミカルX」を混ぜるだけでできてしまうのだけれども・・・
 現状で日本での専門医制度は非常に曖昧である。学会ごとの隔たりがあり認定方法もまちまちである。それに、他の学会が他の学会の専門医を認めているかよくわからない状況である。ある意味「言った者勝ち」という状況である。
 アメリカでの専門医制度がそのまま日本で通用するとは思わないけれども、やっぱりアメリカのでの専門医のまねをするのなら、アメリカから専門医を何人か連れてくればいいのにね。特に、引退した人やしそうな人とかね。ある意味ボランティアとしてまたは、名誉職として連れてくれはアメリカの専門医も文句は言わないでしょう。そして、その人たちにこれからの人たちをトレーニングしてもらって、アメリカと同等の試験を受けてアメリカと同等のレベルの専門医をつくるというのがいいんじゃないの。まあこれの方法欠点はお金かかることでしょう。でも、この方法でつくれば日本でアメリカの専門医制に反対している人以外あまり文句は出ないでしょう。
 まあ、パワーパフガールズみたいにはいかないレどももうちょっと簡単にというか単純な専門医の作り方ってないものなのかな・・・。

出版物

 調べ物などと称して専門誌や商業誌、教科書などをひっくり返している。あまり隅から隅まで読まないけれども・・・。通常専門誌は提出された論文や症例報告、総論などその雑誌にあるいは学会の決められた規定で審査する人がいて内容や方法などに問題がないか審査される。もちろんそこに引用されている論文なども適切か判断されるものである。
 それに比べ商業誌は通常全く審査なされないでたれ流しな状態である。だから内容が間違っていてもあまり問題にならないのかもしれない。でも、書いている人の信用問題なのでたぶん一生懸命書いていると思う。それでも、引用されることはないしするべきではないと思う。(たまに・・・)
 さて、問題は教科書と専門書である。これも商業誌同様に審査なしである。そこにあるのは書いている人のモラルだけである。これもやっぱり書いている人の信用問題なので一生懸命書いていると思う。アメリカの教科書には版(いわゆるedition)を重ねていっているものがあるけれどもその教科書はそれだけ信用があると考えてもいいのかもしれない。出版社の側からいわせると売れる本は金になるということなのでしょう。読者全体が審査しているということなのでしょうか。でもこれは引用していいのか、と思うときもある。まあ、昔からいわれている事柄だけれども論文はなく、この教科書のこの部分しかないといった記事もあったりするのは事実である。また、解剖や組織、病理などは別かもしれない。
 日本の現状として獣医臨床系の教科書や専門書はほとんど書かれてない。(国試程度ならば・・・) ほとんどがアメリカの教科書の輸入翻訳である。で、アメリカの教科書を見てみると、メジャーな教科書は2から3年に1回更新されている。すさまじい速度である。それに以前に増して値段が上がった。厚みが増したからから?カラーが増えたからか?翻訳の速度も上がってきたね。前は2年以上だったのが1年を切るようになってきた。以前は翻訳を1冊やったことがあったけれどもあんなの十がやるものではない。翻訳は英語ができるからやるのではなく日本ができるからやるのものなのである。時間がある人のやるものである。やっても自分の身にならないしね。料金も安い。やっても勉強になったというよりは時間の無駄だったという感じですね。本当は獣医師のやる仕事ではないね。それはいいとして・・・。
 ではアメリカの教科書の信憑性はどうなのか?誰が判定しているのかな。本になっているからと信用していいのかな。もしかして全ては売上で決まるのかもしれない。でも、教科書の参照している参考文献はちょっと気になるね。
追記
 そう言えば私のアメリカの師匠が「教科書は歳をとってから書くものじゃ」といっていた。やっぱりそう言うことなのね。ある意味、教科書を書くと言うことは名誉職と言うことなのでしょう。

アメリカの獣医学

 先のブログでアメリカの獣医学への関心が日本では薄れているとかいうことを書いたけれども、全く廃れているわけではない。やはり多くの部分学ぶところは多いと思う。しかし、理由として考えられるのは、今まではアメリカのやり方をやっていれば大丈夫というような考えが充満していたけれども、今ではアメリカのやり方をそのまま踏襲しても日本では通用しないということがわかってきたということなのでしょう。どんな場合にしてもアメリカの方が幅広く平等に勉強をする環境は整っていることは確かである。
 私の頃に比べてアメリカに行って勉強してくる人が多くなっているだろうし(多分・・・?)、実際にアメリカの専門医を持って日本に帰ってくる人も増えてきている。それだけ、日本の獣医学のレベルが上がったということは十分にあると思う。しかし、それだけではなくアメリカでの獣医学の方向性がぼやけてきているのではないかと思うところがある。以前ほど最先端とかいう方向ではないのかもしれない。よくはわからないけれども専門医性の弊害(縦割り的なもの)などが出てきたり、専門医の数が増えて来て飽和して来たことによって、専門医の仕事がそれほどおいしくなくなって専門医になりたい人が減ってきているのかもしれない。実際に知り合いのアメリカの専門医の先生でさえも専門医性に対する疑問をいっている人もいる。
 こうなるとアメリカの獣医学も暗中模索ということなのかもしれない。少し前までEBMがはやっていたけれども今では「エビデンス」という言葉を使用しなくなってきている。(単にエビデンスを判定することが困難であることがわかったということなのかもしれないけれども)アメリカの商業誌を購読していたけれども、年々薄くなってきていて、内容もありきたりのものになってきていた。今年に入ってVeterinary Medicine と Compensium の購読をやめた。日本の商業誌のでもアメリカの雑誌の翻訳が減ってきているのは見ての通りである。さらに日本の商業誌は若い執筆者が増えて来ているのは頼もしいと思う。
 別にアメリカの獣医学が衰退してきたというわけではないと思う。やはり最先端だしちゃんとしたことをやっていると思う。活発ではなくなってきた様に感じるのはなぜなのかやはりよくわからない。

画像診断トレンド @ 獣医学

 最近、世の中に最新画像診断ネタが少ないと思う。
 いま私が仕事しているのは画像診断と言っても、X線読影と超音波診断が中心となっている。特にX線読影はもう100年もの間基本的な技術的な革新はない。最近になってやっとデジタル化したと言うことが一番の話題である。デジタル化はCRとDRがある。CRはコンピューテッドラジオグラフィのことで、X線撮影で得られた情報をカセッテの中のフィルムではなくイメージングプレートというものに写して、それを機械で読んでデジタルに変換するいくというものである。DRはデジタルラジオグラフィといって、カッセテの代わりに検出器をおいて、直接コンピュータに取り込むといったものである。今では、異常なほどCRがもてはやされている。これはもともとこれを作ったF社のおかげである。読み取りの装置も小さくなったし安くなってきた(実際はまだまだ高いけれども)。でも、このシステムは、カセッテを使っている以上、現像の煩わしさはないものの、手間がかかる。やはり、単純な手順で撮影できるDRが主流になってくるのであろう。まあ、CRはDRへのつなぎの技術なのでしょうね。
 そして、超音波検査も基本的な部分はほとんどがデジタル化してきていることもあり、あてる人にあまり関わりなくきれいな映像ができるようになってきた。でもやっぱり、生き物相手である以上やはり基本的な部分がないと診断できない。特に、超音波検査は検査を行っている人がその場で診断しない限り診断につながらないことが多い。検査をすべて録画してもらってみてもわからないものはわからない。なんなばらつきのある検査にお金を払うなんてという意見がないこともない。それよりも麻酔をかけて全身をCTで撮影してやると超音波検査では得られなかった情報がいろいろ得られる。これに関しては超音波検査はCT検査にはかなわないといえるでしょう。まあそのうち、超音波検査よりもCTをやって・・・見たいはなしになるのでしょうね。
やっぱり画像診断は機械勝負なのでしょうね。CTの256列で「えいやー」とやられたらたまらない。でも3TのMRIはどうなのでしょうか・・・。

核医学のリアリティー

 先日の学会で農林水産省の畜水産安全管理課の人が来て今回の獣医療法の改正について話をした。結局のところ我々が核医学でできるのはTc-99m(テクネシウム)とF(フッ素)-18のみであるということでした。(今更知ったかよ!!)基本的に我々獣医師で使用できるのは医薬品として認可されているものであり、自分の場所で製造することは許されていないということでした。
 Tc-99mは半減期6.01時間でありガンマー線を放出する核種である。Tc-99mではガンマカメラと SPECT (Single Photon Emission Computed Tomography)を行うことができる。よく使われるのはボーンスキャンということで、骨変化が起こっている部位を調べることを目的とした診断方法である。ほか、キドニースキャンやラングスキャンなどがある。実際には転移探しなんかに使用されると考えますがどの程度の需要があるか・・・。
 また、F-18は半減期が109.8分でありより短いが、対のポジトロン (陽性に荷電した電子)を放出する。そのため、 PET (Positoron Emission Tomography) に使用することができる。 FDG (Fludeoxyglucose) にタギングして使用して行う。悪性腫瘍の診断などに使用することができるらしい。
 これらの廃棄物はF-18に関しては通常ゴミとして捨てられるようだが、Tc-99mは専門の業者に頼まなくてはならないようである。(都道府県指定の業者ということらしいけれど、まだ決まってないようなことをいっていた・・・)
 やるとなったら施設に放射線取扱主任1種または相当?の責任者を置く必要がある。本当に臨床に必要かどうかは別として、ちょっと興味がありますね。ガンマカメラぐらいならやってもいいかもしれません。どうせやるならSPECTかな・・・。アメリカの獣医界ではPETととかSPECTなんてやっていないでしょうね。たぶん必要性を感じていないのでしょう。
 CTとMRIの区別できない人たちもいっぱいいるのに、PETとSPECTの違いを説明するのは大変そう。

今日は午後から学会

 今日お昼から学会に参加した。午前中はいろいろと仕事があった。(これを書き始めたのは行きの埼京線の中)大宮はやっぱり遠いよね。ゆっくり休もうと各駅停車に乗ったら赤羽で飽きちゃいました。もっと空いていると思ったら案外混んでいてパソコンを広げる気がなくなった。そこでこれを書き始めたのである。まだ着かない。
 このままだと昼飯の時間がなくなってしまう。とか言いつつ駅降りてから手打ち蕎麦屋さんを見つけてを鶏せいろを食べてから20分位遅れて到着した。ソニックシティーの入口は?受付は?よくわからない。地下の展示場にあるのね。と日大外科教授の田中先生にご挨拶。受付を済ましてとラディオサージェリーの教育講演・・・ごめんなさい!興味ありませんでした。そーっと外に出て、外科の神経外科の発表会へ。これはまあまあ興味深かった。(そんなこんなことを書いたりいろいろ携帯を使っていると電池の残量低下のため中断)終わってからCTの座談会で聖マリアンナ大学の先生がCTについて講演した。談話会というからには意見交換などがあってもよかったのかなと思う。獣医イメージングサポートの岩吉さんにあいさつして、麻布大学の放射線科の教授の菅沼先生にご挨拶。「生活できているか」という心遣いにありがたく感謝いたします。同級生で日本大学の綜合臨床の准教授の山谷先生にあったのでいろいろ雑談。
帰りは少し飲んで帰りました。
明日も参加します。
明日はもっとおもしろいといいなと思う。

ハンドヘルド型X線装置

Nomadというものがあるらしい。早速HPにて確認した。大きなドライヤーみたいなものでちょっと重そうである。(写真参照)どこかに動画もあるけれども、重そう。実際には5.5lb(パウンド)であるから 1 lb = 0.4536 kg ということなので 5.5 lb = 2.495 kg でほぼ 2.5 kg となる。ちょっと持つ分にはいいかもしれないけれど持ち続けるのはちょっと大変そうだね。電池で可動?で 2.5 mA で、照射時間は 0.01 - 1.0 秒で、焦点距離 20 cm で照射野は 60 mm の円形だそうです。ということから、よっぽど感度のいいフィルムシステムでないと照射時間1秒となりますね。CRなら行けるかな?でもこんなものを作ろうという考えはすばらしいね。日本では使えないけれど(認可が下りていないから)こっそり持ってきて・・・
用途は、歯科、獣医科、検視などで値段は $7460.00 とか $7495.00 とのことでざっくり 80万円ぐらいでしょうか?どうなんでしょうね?
それよりも、やっぱり小さい超音波装置がほしいね。Prosound C3 とか C3cv とかいう超音波装置がアロカから発売されている。ノートパソコンタイプで C3 が腹部用で C3cv が心臓用ということみたいです。両方というわけにはいかないんですかね・・・。
やっぱりα7ですかね。小さいしね。
 

超音波検査のリアリティー

 超音波検査は獣医業界ではかなり普及した。普及したと言っても、動物で使える装置からとんでもない装置までまちまちである。別の言い方をすると動物では有り余る能力を持ったものや動物では使えないほど動物向きではない装置までいろいろある。確かに使いこなせるためにはそれなりの努力が必要であるといえる。しかし、十分に使用できるとしても使いかたを間違えると能力が発揮できないこともある。
 獣医学の中で画像診断と言う枠組みの中で、超音波検査は特殊なものである。検査する人が主体でありその場で画像診断をする必要があり、検査する人がちゃんと超音波検査ができないとまったく意味をなさない。
 それに比べ人医業界では、そうでもなく医師が超音波検査を行わなくてもよくて、超音波検査担当の技師さんでよい。決まった画像を捉えることで診断ができるというのである。肝臓のこことここなんて場所を印刷して後は気になる部分を印刷して検査終了である。でも、これも技師さんの能力によるところが多いのではないかと思う。なんと言ってもやっぱり誰が検査したかということで決まってくる。実際にのところ、技師さんの方が正確で速くて、患者に苦痛を与えないということがある。
 さらに、超音波検査は通常の画像診断以上に「向き不向き」があると思う。でもその人に向かって「向いていないからやめなさい」とは言えない。でも、そんな人でも、ちゃんと練習すればある程度まではできるようになると思う。現にそのような人は結構いる。そのような場を多く設ける必要があると思う。セミナーをたくさんやると言うことなのか。どの様な人ができる人なのかを判定する基準がない。
 じゃあどうすればいいのか?今考えうる可能性として思いつくことを並べると、一つは超音波検査は再現性がないために、全部CT検査にしてしまいましょう。そして、ある程度講習や試験などを受けた人を、超音波検査を実施し診断できる獣医師として認定していき免許制にする。最後に、なんにもしない。結局は獣医師個人の問題と考えと言うことにする。以上のことぐらいでしょうかね?
 まあ考えることはいっぱいあるけれども、最後の部分になってしまいそうだね。まあ、できる人はできるし、多分こんなことはぐたぐた言っていないと思う。

セミナー依頼

この仕事を長いことやっているので、セミナーの依頼を受けることはよくある。基本人前で話すことは好きではないものの、大人数のもでなければセミナーをやること自体は嫌いではない。そんなこともあってか座学(スライドでやることなど)よりは実習込みの超音波セミナーやフィルムリーディングなどの方が好きである。(ちなみにラクという意味ではありません)それでも、質を維持するのは結構大変だし、いつも同じ内容にならないように気をつけてはいる。でも、セミナーは、本業に一部であって全部ではない。なかなか十分な内容にならないことを反省しているがご理解いただきたいとも思っている。
通常は特に最近は問題なく(以前は個人的などいろいろな理由で断ったこともあるが・・・)引き受けている。
でもね、以前あった依頼で内容とかを話し合って、最後に料金を聞かれたときに、「~円です」と答えたら、「検討します」っていってそれっきり連絡もない。とか、メールでも同様に料金を書いてから全くメールが来なくなった。とか・・・
こういうのが一番頭に来る。料金が高いなら高いと言ってくれと思う。料金はと質問されたから答えたまで。通常この時に伝える料金は当時の私の相場(いつもやっている値段)にあわせて、しかも幅を持たせて伝えている。自分のなりの相場のつもりだけれども本来は相場なんて無いに等しいと思うのにね。料金はここで言うのも何だとは思うけれども、基本は誠意だと思うし、どれだけ興味があるかと言うことだと思う。安くたって、セミナーを受ける側に熱意があればこっちもやる気になるというものなのだと思う。
そんなわけで連絡が無くなったのは私の教えることは値段相応ではないと言うことを意味しているのでしょう。何でちゃんと断ってくれなかったのでしょうかね・・・。
まあ、こちらも十分な能力を備えていないという評価なのでしょう。
それはそれでまあいいか。
でも思い出すたんびにちょっと不愉快になるんだよね。
でもUSBメモリーが・・・セミナーどうしよう・・・報告書は・・・他に何が入っていたっけ・・・w(゚o゚)w

CRPって

 ちょうど1週間前、下の子供が熱を出して寝込んでいた。保育園はお休み、私も仕事をダイニングテーブルでやっていた。また、ノートパソコンでやっていたのでできることは限られていた。小児科の先生は子供は咽頭炎であるといわれた。まあカゼね。まあ寝ていたからパソコンに向かっていることができた。やれやれである。まあ、たまにはこのようなコトも悪くはないとも思ったりもした。
 そんな中で、ちょっといろいろと考えた。熱を出すと言うことはどこかに炎症があるか、脳に何らかの異常があるなどのコトが考えられる。なので何らの異常があると言うことである。最近の傾向として、CRP(Ch反応性蛋白)を血液検査に取り入れることがよくある。勉強不足なのでよくわからないがCRPはそれほど重要なのか?
モノリスのWebページから・・・
CRP(C-reactive protein)とは、
炎症、組織破壊が起こると24時間以内に非特異的に血中増加する蛋白。
血中濃度は疾患の重症度や予後に比例すると言われ、疾患に対して非特異的であるが炎症性疾患の存在、重症度などを理解する事ができる。
<検査対象・目的>
スクリーニング検査     炎症性・非炎症性疾患の鑑別
重症度および予後判定    治療効果判定
再発のモニタリング             ・・・など。
とあった。ちょっとネットで調べても出るわ出るわ「CRP 犬」と検索しただけで動物病院のページから飼い主のブログなどさまざま検索される。
モノリスのWebぺーじをみてもとても非特異的な検査であることがわかる。まあ、飼い主がいうところの「何となくおかしい」を数字で示してくれるということか?まるで発熱のような・・・。
無症状でCRPのみの上昇が認められるダックスで、超音波検査では異常は認められなかったが、CTだかMRIだかだかをやって、無菌性肉芽腫だか縫合糸反応性肉芽腫だかがみつかったとかいう話がのっていたが・・・。どの程度の腫瘤が見つかったかはわからないけれども、反応しない糸なんてないのではないの?
いろいろと考えてみましたが、やっぱりよくわからないことが多いですね。
流行や対面、商売などを考えるとやった方がいい検査なのでしょうね。

ペットの代理ミュンヒハウゼン症候群?

 代理ミュンヒハウゼン症候群(Munchausen Syndrome by Proxy)なんて動物病院で遭遇することがあるのかしらん。Wikiによると定義は代理の対象が人(多くの場合子供や老人)であり動物ではないということ。元はといえば病気なのはその人(多くの場合母親や子供)であって子供やその対象の人ではない。そんな意味では対象を動物とその飼い主に拡大解釈もできそうなもの。実際にこの病気を証明するのは難しいということである。そもそも、そのような虐待が行われていることなんて、我々の能力ではわかることさえもできないのかもしれないしね。もし、動物病院にそのような事例あったとしても、単に動物虐待として対処するしかないのでしょうね。単純な動物虐待でさえも我々は十分な介入をすることもできないしね。
 気になった人は下の本を読んでみてください。実際に代理ミュンヒハウゼン症候群の母親にいろいろとされちゃった人の実話だそうです。実は私はまだ読んでいません。

ちょっと気になっただけです。
春なのに・・・春なのに・・・花見にも行けてない~
気がつけばエイプリルフール、でもわざわざ嘘つかないよね。忘れてたし。

そうえいばBNCT

 今年になって中性子捕捉医療用加速器が開発されたというニュースを聞いた。(がん細胞のみ破壊 加速器BNCT 今夏、治験開始へ 産経関西)BNCTとはホウ素中性子捕捉療法(ボロン中性子捕捉療法)のコトである。ホウ素に熱中性子(エネルギーの低い中性子線)を当てるとホウ素がリチウムの原子核とヘリウム原子核(アルファー粒子)に壊れる。これらリチウム原子核とヘリウム原子核(アルファー粒子)は細胞内では5から9マイクロメーター程度しか届かないため、このホウ素を癌細胞の中に入れ熱中性子を照射すれば癌細胞(一個分)のDNAをぶった切ることができ細胞を殺すことができる。現時点での応用は悪性の脳腫瘍と皮膚の悪性黒色腫である。このニュースのすごいところは、BNCTは今まで原子炉がある場所でしかできなかったことが、原子炉がない病院内で中性子の照射が可能になったと言うことで、BNCTをどこでもできると言うことである。
 実はBNCTは大学院(アメリカで)の時に研究していた題材である。BNCTのDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)いわゆるどうやってホウ素を腫瘍細胞に届けるかと言うことを研究していた。そのため、当時はいろいろと文献を読みあさっていたものであり、非常に懐かしい思いである。実はBNCTは日本ではかなり実績があり、治療成功症例が多く発表されていた。しかし、これらの成功例もBNCTをやっていた先生の治療法がさじ加減で行われていたりとか記録が十分されていなかったりなどの問題点が多く十分な評価を受けることができなかった。でも、その日本の先生のおかげで世界的にBNCTは治療効果があると認識されるにい至ったのは事実である。
 昔は比較的聞いたこの治療法も最近ではあまり聞かなくなってきたと思っていた。たぶんパラメータが多すぎで経費がかかりすぎなどの理由で臨床例が増えなかったので研究には不向きと言うことになって臨床的に???と言うことになっていたのだと思う。でも、病院でBNCTができるようになると、経費が下がり症例数も劇的に増えるものと期待することができる。これからのBNCTの発展に期待したいと思う。研究していた頃は犬の脳腫瘍のBNCTをやっていたけれども、日本でもやってみるのはおもしろいかもしれないねー。
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ちなみにBNCTは Boron Neutron Capture Therapy となります。
京都大学原子炉実験所/医療照射

やったー!!

 全てが混沌としている今、ふっとすると目的さえも見失ってしまいそうになっている自分に気がついてちょっとビックリ。でも何も良いニュースがない世の中でワールドベースボールクラシックの日本再び優勝の知らせには元気付けられた人も多いと思う。私も元気付けられたしモチベーションが上がった。
 それにしても以前からX線造影検査は好きではない。検査の手間がかかるし時間がかかるし、枚数沢山などなどの割には得られ情報は少ない。特に、消化管造影検査はいろいろと大変である。人業界に比べ造影検査の方法は明確なプロトコルがない。なので、テキストに書いてある量の造影剤を口から入れて、適当な時間で撮影して行く。
 本来造影検査は目的を明確にしてから方法を決定して行く。異物を見たいとか、胃の通過時間、消化管の異常、胃の変化、食道などなど目的はいろいろであると思う。それから、それぞれに適した方法で造影剤の量や撮影タイミング、ポジションが決まってくる。上記のような方法では、実際に見えていないことが多いのではないかと思われることも多くある。本来、造影検査は特殊検査であり一般腹部X線検査を行ったあとで、目的を持って行うものなんだと思う。でも、一般消化管造影検査なんてカテゴリーを作ればいいのかな。
質問があるから答えがある
と、造影検査について言っていた先生がいる。それもそうだと思う。質問に応じた造影検査を行う方が時間の浪費も飼い主や先生たちのお金も無駄にならない。だって、消化管造影で50枚とかとることもあるというかかつていた。50枚全部請求したのだろうか・・・。いったいいくらになるのか?

第3回目セミナー修了

 第3回目セミナーが終了した。とてもゆるーい感じのセミナーとなってしまった。理由は得分野でない心臓がトピックであることだけではなく、施設の問題などもある。施設に関しての話は追って書いていくつもり。スライドの順番が間違っていたり、同じスライドが変な場所に入っていたりなどなど・・・。スーと流したりしたものの、ばれているでしょう。でも、その次の日(土曜日)の夜から具合が悪くなって、日曜日はズーとぼーっとしてしまった。今でも少し違和感がおなかにある。あとセミナーはあと2回(2ヶ月)、それまで施設はもつのか?などと言うことは気にせずに、やれるとこまで行きましょう。あはは・・・は

第2回セミナー修了

 第2回目の超音波セミナーが終了した。無事に・・・。受講者が満足したがどうかはさておいて、達成感は大きいね。とっても疲れた。今でも眠いね。まだ、頭がボーッとしていて反省点が浮かんでこない。今思いつく反省点は、もっとスライド作成に時間を費やすべきだったと言うことかな。もっと吟味すべき点が多いような気がする。もっと絞り込んだトピックにするべきではなかったか・・・とかね。まあ、終わったものはしょうがない。次回からのセミナーにかけよう・・・。心臓を教えるのはちょっと大変。みんなが心臓の形をちゃんと理解してるわけではないからである。プログラムに詳しくてCGがバリバリに作れるのなら、あーんなことやこーんなことをしてみたいなんて思うけれどもできずにいる。お金をかけて作ってもらうしかないのであろうか・・・。
 超音波検査では腹部と心臓に分けて考えるとどちらが難しいかというと、私はやっぱり腹部なのではないかなと思う。心臓は対象は1臓器である。しかも、ポンプなので構造や動きがわかればいいのである。そのため、B-mode検査やM-mode検査、ドプラー検査、カラードプラ検査などと決まったことができれば終わるのである。ちゃんと当てれれば診断ができるのである。しかし腹部は、各臓器がちゃんと見られるのは当たり前で、それだけではなく症状や病歴、検査結果、他の臓器の超音波検査などの情報を組み合わせながら今見ているものに対して画像診断していくことになるからである。よーく考えながら診断していくということになる。まっ、ある程度は慣れてくるけれどね。やはり超音波検査は慣れが重要なわけかね。じつはこれなんかもトレーニングなんだけれどもね。ちゃんとできるのは難しい。私だって未だに不十分である。